ベンチャー企業に朗報? 政府が新たな資金調達の仕組みを検討。
2013/04/23 法務相談一般, 民法・商法, ベンチャー全般
事案の概要
政府は、ベンチャー企業がインターネットを経由して、広く資金を調達することが出来るように、新たな制度の導入を検討する。
政府の規制改革会議に4月11日、金融庁が提出した資料によると、クラウドファンディングという手法を活用して、ベンチャー企業の資金調達を促進する方針だ。
クラウドファンディングは、新規・新興企業がネットを経由して、投資家から小口の資金を幅広く調達する仕組みで、アメリカではベンチャー企業の資金調達手段として広く活用されている。また、2012年4月にはJOBS法が成立し、クラウドファンディングによる株式の発行まで可能となっている。
新しく事業を始めようとしても、資金調達に行き詰まり、事業化に至らない場合も多い。株式の発行は証券会社を通じて行われるが、現行制度では、上場株よりも情報開示が劣る未公開株について、募集や販売を厳しく制限している。 証券会社を通じて、ベンチャー企業など非上場企業の株式を売買する制度として、1997年に日本証券業協会が創設したグリーンシート制度が存在するが、この制度利用企業は減少しているのが現状である。
こういった状況を踏まえ、証券会社以外の金融仲介業者を通じても、インターネット経由で、株式形態での資本調達を可能とする制度を導入する構えだ。
コメント
上記の方向で制度改正がなされれば、資金調達に苦しむ新興企業にとっても、有望な投資先を求めている投資家側にとっても、メリットがあるといえる。
一方で、投資を巡るトラブルの防止策も必要である。投資家保護の観点から、仲介業者の参入要件をどのように設定するか、投資家の年間投資額に上限を設けるべきかといった課題も存在する。
また、投資を募る企業側は、事業化に向けたアイデア、プロジェクト、技術開発の概要をある程度公開することが求められる。公開されるがゆえに、それが他者に流用されるリスクに対する備えも必要となる。
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