消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
2013/02/14   消費者取引関連法務, 民法・商法, メーカー

事案の概要

①消費者庁は8日、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故(1.ガス炊飯器(都市ガス用)、石油ストーブ(開放式)、ガスこんろ(都市ガス用)、石油ストーブ(密閉式)、石油ふろがま 2.電気衣類乾燥機 3.吹出し口ガード(石油温風暖房機用)、パネルヒーター、電気毛布、エアコン(室外機)、電気ストーブ、照明器具、電気温風機、自転車、複写機 )について公表した。

(事故事象について)
 株式会社長府製作所が製造した石油ふろがまを使用中、異臭に気付き確認すると、当該製品を焼損し、周辺を汚損する火災が発生した。
(当該製品のリコール(無償点検・回収)について)
 同社は、対象機種について、修理・点検時における点検用コネクターの戻し忘れにより空焚き事故が発生したことから、事故の防止を図るため、平成19年7月27日に情報掲載を行い、点検用コネクターが付属されている全ての機種について、無償点検により点検用コネクターの回収を実施している。また、安定的な作動を確保するため基板を交換する改修も実施。平成19年7月28日には新聞社告を掲載し、平成21年以降、TVCM放映を行うとともに、販売店、サービス店を通じ、チラシ、ポスターの配布、ダイレクトメールの送付により、無償点検・改修の呼び掛けを行っている。

②消費者庁は13日、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故(1.石油温風暖房機、石油ストーブ(開放式) 2.電子レンジ、換気扇、デスクヒーター 3.こたつヒーター、はしご(ロフト用)、脚立、電気カーペット、折りたたみテーブル、電気ストーブ(カーボンヒーター)、芝刈機(歩行型) )について公表した。

(事故事象について)
事務所でクレオ工業株式会社が輸入したデスクヒーターを使用中、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生した。
(当該製品のリコール(製品交換)について)
対象機種について、同社は、使用方法によっては出火に至るおそれがあるとして、事故の防止を図るため、本年1月15日にホームページへ情報掲載するとともに、販売先での店内告知、ダイレクトメールの送付により、注意喚起及び対象製品について無償交換(製品全面を検知線により温度コントロールする方式に変更し、電源消し忘れ防止装置を付加した対策品に交換)を実施している。

参照条文

消費生活用製品安全法
第2節 重大製品事故の報告等
(内閣総理大臣への報告等)
第35条1項 消費生活用製品の製造又は輸入の事業を行う者は、その製造又は輸入に係る消費生活用製品について重大製品事故が生じたことを知つたときは、当該消費生活用製品の名称及び型式、事故の内容並びに当該消費生活用製品を製造し、又は輸入した数量及び販売した数量を内閣総理大臣に報告しなければならない。
(内閣総理大臣による公表)
第36条1項 内閣総理大臣は、前条第1項の規定による報告を受けた場合その他重大製品事故が生じたことを知つた場合において、当該重大製品事故に係る消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する重大な危害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、同条第4項の規定による通知をした場合を除き、当該重大製品事故に係る消費生活用製品の名称及び型式、事故の内容その他当該消費生活用製品の使用に伴う危険の回避に資する事項を公表するものとする。

関連判例

東京地方裁判所(第一審):平成19年(刑わ)第4053号
パロマガス湯沸器事件
【事案の概要】パロマ工業が製造してパロマが販売した強制排気式ガス湯沸器が、不正改造が原因で不完全燃焼を起こし、居住者他1名が一酸化炭素中毒により死傷した事故について、同湯沸器を製造・販売した会社の代表取締役社長及び品質管理部長に、点検・回収等の措置を講じなかった過失があるとされて、業務上過失致死傷罪の成立が認められた事例 。

コメント

 パロマガス湯沸器事件においては、製造販売会社の代表取締役社長及び品質管理部長は、対象製品の危険性について注意喚起の徹底、点検及び回収の措置等事故防止対策を講ずべき業務上の注意義務を負う立場にあったとされた。また事故発生の認識及びその危険性の認識していた事情の下では当該死傷事故発生の予見可能性が認められるとされた。
 製品に瑕疵が存在することはやむをえないこともあると思われる。しかし、そこでどのように対応していくかが企業の健全性の問われるところであり、今回のように、消費生活用製品安全法35条を遵守し、企業側が事故発生等情報を開示し、再発防止策をきちんと講じることを徹底することが、ひいては企業のコンプライアンス遵守の姿勢、消費者の安全性を真摯に考える姿勢をアピールすることともなるといえると考える。

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