「企業再生ファンド」創設 金融円滑化法の終了対策で―千葉県
2012/09/18 事業再生・倒産, 民法・商法, 金融・証券・保険
概要
千葉県の9月補正予算案は、中小企業融資の返済猶予などに応じるよう金融機関に促す中小企業金融円滑化法が来月3月末に終了するのを踏まえ、総額20億円に上る「中小企業再生ファンド」の創設を盛り込んだ。
株式取得や債権買取などを通じて、企業の再生を促す。研究開発拠点(木更津市など)への企業立地を推進するため、区画の小規模化も検討する。
再生ファンドの事業費は1億円で、他に中小企業基盤整備機構が9億円、県内の地銀、信金など11金融機関が10億円を出資する予定。
県内では円滑化を活用して今年三月末までに延べ約8万2千件の融資条件の変更が実施されているが、抜本的な業績回復に至っていない企業も少なくない。同法の終了により、企業の資金繰り悪化や倒産の発生により、地域経済への打撃が懸念されている。そこで、ファンドを活用した企業支援を推進することで、同法の終了の影響の軽減を狙う。
コメント
東京商工リサーチは、2012年1~8月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向を発表した。1~8月の中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件変更利用後の倒産件数は、144件となり、前年同期比71.4%増と増加が目立つ。金融支援で下支えされても業績が好転しない企業が多い。
同法では、企業は返済猶予を受けている間に業績を立て直さなければならないものの、業績計画を達成できず、倒産に追い込まれる企業が増加している。また、同法が終了することで金融機関は猶予に応じる義務がなくなるため、多くの企業が窮地に追い込まれることとなる。
法律という保護がなくなり増える倒産からの経済的な打撃は甚大であることから、各自治体では早急に中小企業支援対策を立案、実施することが緊急課題となる。
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