公募増資の手続期間、短縮へ 会社法改正の動き
2012/07/25   金融法務, 金融商品取引法, 金融・証券・保険

事案の概要

最近、野村證券や大和証券の社員による、公表前の増資情報を漏洩するといったインサイダー問題が明るみに出ている。
そんな中、民主党の資本市場・企業統治改革ワーキングチームは、20日、上場企業の公募増資をめぐるインサイダー取引防止策をまとめた。
そこには、ヘッジファンド等による「空売り」が行われていることに対応し、会社法(201条3項4項参照)で増資決定から払込みまで2週間とされている手続期間を短縮する対策が盛り込まれた。
この比較的長い期間が不公正取引を誘発している現実があったためである。

そもそも「空売り」とは、証券会社から株を借りて売り、その株が値下がりした時点で買い戻すことで利益を得る投資方法である。
公募増資に際しては、その公表後に株価が下落することが通常である。
株価が高いうちに空売りをし、株価が下落した時点で買い戻して証券会社に返せば、その差額を利益を手にすることができる。

このような期間短縮策の導入により不公正取引を行いにくくすることで、公募増資時における市場の公正価格の阻害・既存株主への不当な侵害を防止することが目指される。

首相の諮問機関である金融審議会が今後検討する規制強化策に反映される見通しだ。

コメント 

以前より公募増資はインサイダー取引等の不公正取引の温床となっていた。
そんな中、公募増資時の空売りに関しては、金融商品取引法施行令(26条の6第1項)の改正が行われ(平成23年12月1日施行)、「公募増資公表後、新株等の発行価格決定までの間」の空売り規制が定められていた。
とはいえ、これはあくまで「公募増資公表後」の規制であり、「公募増資公表前」からの内部情報に基づいたインサイダー取引は規制できないという問題が指摘されていただけに、今回の対応策はそのような現状に対応する一手となることが期待される。

しかしながら、そもそも会社法201条3項4項の趣旨は、既存株主による差止請求の便宜を図ることにある。
よって、この期間の短縮はそうした差止請求の機会を奪うことにもなりかねないので、単純にはいかないであろう。

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