レアアース王国・中国、官民が結託し不正が横行
2012/06/14 海外進出, 外国法, その他
事案の概要
「レアアースはヘロイン並みの利益をもたらすがヘロインほどのリスクはない。やれば必ず儲かる。やらないだけ損だ」。中国でいまレアアースをめぐり、官と民、そして裏社会も加わった一大狂騒曲が繰り広げられている。
中央政府の方針によって、レアアース企業の統合と採掘についての規制強化が進んだが、必ずしも効果を上げていない。
昨年後半以降、江西省カン州市でも、違法な採掘・生産、闇市場での取引、密輸などへの監視が強化された。正規業者は操業をやめたが、違法な採掘を続ける業者がなくなったわけではない。違法業者は周辺住民に通報されないよう口止め料を払っている。
市政府は、採掘量や精錬企業に割り当てる生産量も一気に絞った。市内の採掘場は10分の1になり、88件あった採掘の許可証は1社に一本化された。国からの割り当てを超えて採掘すればペナルティが科され、翌年その分は減らされる。
だが実際は、割り当てを超えて採掘され、違法な市場で売られることが多い。こうした不正が起きるのは、村の主任レベルから町長、果ては鉱産物資源管理局の一部の職員までが、背後で結託しているとみられるからだ。
又、レアアース採掘による環境汚染も深刻だ。レアアースの精錬に使われる硫酸アンモニウムや、国の排出基準を大幅に超えるアンモニア、窒素を含んだ廃水は、土壌や農地汚染の原因になっている。
カン州市では、採掘の残滓が積み上がったハゲ山や廃棄された鉱山が放置されている。国は対策に乗り出しているが、その面積が広すぎて経費がかさみ、焼け石に水である。
コメント
レアアースは利益となる。しかし、だからといって、違法な採掘をおこなって良いわけではなく、環境汚染も深刻さを増している。中国が真のレアアース王国となるためには、利益の追求だけでなく、モラルを守り、社会的責任を果たすこと必要がある。
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