尖閣諸島をめぐる日中両国の対応
2012/06/12 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
日本の丹羽中国大使は石原都知事による沖縄県の尖閣諸島購入計画について、「実行に移されれば、日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と強く批判し、「日中関係改善に向けた数十年にわたる過去の努力が水泡に帰すのを許すことはできない」と強調。「ご迷惑をおかけして大変申し訳ない」と杉山アジア大洋州局長との電話を通じ謝罪したことが明らかになった。
玄葉氏は、7日に外相名で丹羽氏を注意したとした上で「尖閣諸島についての領有権問題は存在せず、所有権の所在を国内で変更するかどうかは対外的な問題ではない」と述べた。
また石原都知事は丹羽中国大使を「丹羽大使の発言の後、官房長官が『必ずしも政府の意向ではない』と言った。食い違いがある大使をおいておく必要はない。政府の責任で更迭すべきだ」と強く批判し、尖閣諸島の問題について「政府にやってもらいたい。東京がやるのは筋違いだ」と述べ、政府が責任を持って対応するよう改めて求めた。
そして中国外務省の劉為民報道局参事官は、沖縄県・尖閣諸島近くで日本の国会議員や漁師らが魚釣りをして日本の領土であることをアピールした活動について、「中国の主権を侵す日本側の一方的な行為は違法かつ無効だ。新たな騒ぎや茶番を起こすのをやめて、実際の行動で中日関係の大局を守るべきだ」と日本側に要求したことを明らかにした。
11日付の国際問題紙・環球時報は、1面に「『魚釣り』で中国を挑発」との見出しを掲げて報道。社説でも「中国の世論を故意に刺激し、中国民衆の怒りを買った」と指摘した。「中国側は漁船や取締船を増派し、日本と摩擦を起こすことは恐れない」と強調しながらも、挑発に乗らないよう呼び掛けた。
コメント
尖閣諸島はこれまで一種の保留状態だったが、最近両国の動きが活発化している。だが解決への糸口はつかめず、今の動きもどのような結末を迎えるかわからない。
中国政府は日本との経済関係を維持するために融和的な対応をしてくれるかもしれないが、世論はそういった判断は望めず、感情的な反応を返すかもしれない。さらに悪いことには、政府も世論の反発の矛先を共産党に向けないため、日本に強硬に接するかもしれない。
ただ一つ言えることは、このまま購入を進めるとしても、魚釣りなどのつまらない挑発は避けるべきということだろう。
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