QAで学ぶ契約書作成・審査の基礎 19回 取引基本契約(個別契約, 納品・検査)
2022/03/01   契約法務, 下請法

 

前回から企業間で継続的かつ反復(繰り返し)して行われる売買を中心とした取引に共通する基本的条件を定める契約(以下「基本契約」)に関し解説を開始しましたが, 今回は, 個別契約および納品・検査に関する規定を解説します。また, 最後に, 参考までに, 筆者が作成したコンピュータ取引に係る基本契約の対応部分を紹介します。

【目  次】


(各箇所をクリックすると該当箇所にジャンプします)


Q1: 個別契約の成立に関する規定は?


Q2: 納品・検査に関する規定は?


Q3: コンピュータ取引に係る基本契約の例 


 

Q1: 個別契約の成立に関する規定は?


A1: 以下に例を示します。
 

第3条(個別契約)


1.本契約に定めるものを除き, 乙から甲に販売される製品の品名, 仕様, 種類(品目), 数量, 価格, 納期, 納入場所等の条件は, 個別契約で定める。


2.個別契約は, 甲が, 前項により個別契約で定めるべき条件を記載した書面(以下「注文書」という)を乙に送付し, 乙がこれを異議なく承諾する旨の書面(以下「注文請書」という)を甲に送付した場合, 当該注文請書が甲に到達した時点で有効に成立したものとする。但し, 注文書が乙に到達した後〇営業日が経過するまでに乙の諾否を記載した書面が甲に到達しない場合, その経過時点で当該注文書記載内容の個別契約が成立したものとする。


3.本契約は, 甲および乙に, それぞれ注文の義務および注文を承諾する義務を課すものではない。


【解 説】


【個別契約で定めるべき条件】基本契約では, 取引の基本的条件を定めますが, 実際の個々の取引でどの製品をいつ納入するのか等については, 上記例の第1項のように, これを注文書と注文請書のやりとり等で定める旨の規定を置きます。なお, 上記例では, 注文書記載事項として「仕様」も挙げていますが, 販売するのが売主の標準製品で仕様が一つしかない場合は不要です。

(下請法の適用がある場合)買主・売主の資本金の関係および両者間の取引内容(例:買主が販売する製品をその仕様を指定して売主に製造委託)により本取引に下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)の適用がある場合[1], 親事業者(買主)は,下請事業者(売主)に製造委託等をした後直ちに所定の事項を記載した書面(電子メール等の電磁的方法も可)を下請事業者に交付しなければなりません(下請法3:書面交付義務[2])。この所定事項は, 製造委託の場合は, その製造委託品(給付)の内容・受領日・受領場所, その検査を行う場合は検査完了日, 代金の額とその支払期日等です。これらは上記規定例(第2項)では注文書に記載することになりますが, それらのうち各個別契約に共通する事項に関しては, 予め別途書面(基本契約を含む)により合意しておけば個々の注文書に具体的に記載することは不要となります(但し, 注文書に『...は, ...日付け締結の「取引基本契約書」に定めるところによる』のように付記すること)。また, 親事業者は,取引完了後, 上記所定事項と同様の記載事項を記載した書面を作成しこれを2年間保存しなければなりません(下請法5:書面の作成・保存義務[3])。

【個別契約の成立】この点に関しては, 民法商法には以下のようないくつかの規定があります

—民法97(1)(意思表示の効力発生時期等:到達時)/民法522(2)(契約成立に書面不要)/民法523(承諾の期間の定めのある申込み:撤回不能・期間中承諾通知なければ不成立)/民法525(承諾の期間の定めのない申込み:相当期間撤回不能等)/商法509(遅滞なく諾否を通知する義務。その懈怠時における契約成立)

しかし, 民商法の規定は任意規定であること, それらが現実の取引上合理的とは限らないこと, 個別契約の成立は両当事者にとり肝心なことであることなどから, 取引の実情に合う合理的な条件を基本契約上明確に規定べきです。

一般的には, 上記の通り, 注文・注文承諾とも確実性の点から書面で行うと定めます。上記規定例(第2項)では, 個別契約成立の時点(納入期限等の起点となることが多い)は, 原則として注文請書到達時, 例外的に一定期間内に諾否がなければ個別契約成立を擬制する(みなす)ものとしています。但し, 後者の点については, 買主として, 一定期間内に諾否の回答がないときに他の供給元から調達する選択権を確保したい場合(製品が他からも同一物または代替品を調達できるようなものであることが前提)には, むしろ, 「...当該経過時点でその注文書は失効したものとする」または「...当該経過時点で当該注文書に係る個別契約は不成立となったものとする」のようにした方がよいと言えます。

【受発注義務】第3項は, 基本契約の締結だけで相互に注文の義務(購入義務)および注文を承諾する義務(供給義務)を課すものではないことを明記したものです。一般的な取引では, 基本契約締結だけではこのような受発注義務が生じるとは解されません。しかし, 例えば, (i)買主に独占的販売権が与えられている場合, 買主の最低購入[義務]数量が定められている場合などには売主の販売義務が, (ii)売主が買主による購入品再販売のための広告宣伝活動等で貢献した場合などには買主の発注義務が, それぞれ認められる可能性もあると思われます[4]。従って, 受発注義務を明確に否定しておきたい場合, 上記第3項のような規定を置くことが考えられます。

page top

Q2: 納品・検査に関する規定は


A2: 以下に例を示します。例1はどちらかと言えば買主(甲)の立場から, 例2は同じく売主(乙)の立場から作成された規定です。

(例1—どちらかと言えば買主の立場からの規定)


第4条(製品の納入・受入検査)


1. 乙は, 個別契約に定める条件に従い本製品を甲に納入するものとする。


2. 甲は, 本製品受領後遅滞なく, 本製品の種類(品目)および数量の検査並びに甲乙別途合意した方法・基準による本製品の品質の検査(以下これらの検査を「受入検査」という)を行い, 当該受入検査に合格したものを引き取る(以下, これを「検収」という)。


3.甲は, 納入品の種類(品目), 数量または品質が本契約および個別契約の内容に適合しないこと(以下「不適合」という)を発見した場合, 納入後〇営業日以内に当該不適合の具体的内容を乙に通知し, 甲の選択に従い, 本製品の修補, 代替品の引渡しまたは過不足の是正による履行の追完を請求できるものとする。この場合, 乙は, 甲が指定した期間(〇営業日以上とする)内に当該履行の追完を行わなければならない。


4.前項により乙が履行の追完をしない場合, 甲は乙に対し, 当該不適合の程度に応じて本製品の代金の減額を請求できるものとする。


5.本製品納入後〇営業日経過するまでに甲が乙に第3項の通知をしなかった場合, 当該経過時に本製品の検収がなされたものとみなす(以下, 「検収」の用語には本項によるみなし検収を含む)。


6.甲は, 本製品の内, 受入検査の結果不合格となったものであっても, 甲の使用目的に支障のない程度の不適合であると認めた場合, 乙と書面で合意の上, その代金の額を減額しこれを引き取ることができるものとする(以下, これを「特別採用」という)。


7.甲は, 個別契約に定める納期に本製品を納入することができない事情が生じた場合, その旨直ちに甲に通知し, その対応について甲と協議しなければならない


【解 説】


(第1項)「個別契約に定める条件」とは, 納入の期限(または特定の納入日・時等), 納入場所(買主の事業所・工場等)などです。

(第2項)「...を行い, 」までの部分は, 商法第526条第1項(買主の検査義務)を参考にしています。但し, ここでは受入検査の方法・基準(検査の項目・実施方法・合格基準)を事前に甲乙別途合意することとしています。事前に検査方法・基準の設定・合意を行わない場合, 下線部分は「本製品の品質が本契約および個別契約の内容に適合するか否かの検査」でいいでしょう。

「検収」の用語は, 近年は権威ある国語辞典にも掲載されるようになりましたが, ここでは念のため定義した上使用しています。

受入検査(または検収)には以下のような意味があります。

①買主にとっては, 不適合品があった場合にその受入れの拒絶等をすることができる機会を確保すること。

②売主にとっては, 受入検査合格により買主の代金支払義務を発生させること。—なお, 代金支払期限も「受入検査合格後〇日以内」, 「受入検査に合格した月の翌月末日まで」等, 受入検査の合格時点が基準となっている場合が多い。

③受入検査合格時点が所有権および危険負担の移転時期とされることが多い。

④受入検査合格日が保証期間(不適合責任追及期間)の起算日となることが多い。(例)「本製品の保証期間は受入検査合格日から1年間とする。」

(第3項)民法第562条第1項を参考にした規定です。但し下線部の通り不適合通知期間および履行の追完(不適合の是正)期間を具体的に規定するようにしています。

(第4項)第563条第1項を参考にした規定です。

(第5項)このようにして検収成立をみなす(擬制する)のは, 上記の通り, 検収により代金支払義務が発生し代金支払期限もこれを基準にしていることが多いからです。

(第6項)取引実務上「特別採用」または「特採」と呼ばれているものです[5]。特に原材料, 部品等の買主側作成の取引基本契約などでよく見かけます。ここでは, 不適合の認定を含め特別採用の適用および減額幅については後に紛争になる可能性があることから, それらについて甲乙合意することとしています。

(下請法の適用がある場合)本取引に下請法の適用がある場合, 親事業者(買主)は,下請事業者(売主)の責に帰すべき理由がないのに,下請事業者の給付の受領を拒むこと/下請代金の額を減ずること/下請事業者の給付を受領した後,下請事業者にその給付に係る物を引き取らせることは禁止されています(下請法4(1)一,三,四)。ここで, 「下請事業者(売主)の責に帰すべき理由」とは, (a)下請事業者の給付に瑕疵(契約不適合)等がある場合, (b)個別契約に定める納期までに行われなかったためそのものが不要になった場合等に限られます。従って, 上記例の第2, 3, 4, 6項の内容は, 下請法上も, (a)の場合に該当し問題ないでしょう。

(第7項)このような場合, 下線部分を「買主の[一方的な]指示に従う」, 「納期遅延の程度を問わず, 当該個別契約を解除できる」等にすることも考えられます。しかし, 売主とすればそのような規定はなかなか受入れにくいでしょう。

(納期遅延に対するペナルティー)買主の立場から, 以下のような規定を追加することが考えられます。

 

乙がその責めに帰すべき事由により本製品の納入を遅延した場合, 甲は, その遅延期間について, 個別契約に定める本製品の価格に対し年〇%の割合による遅延損害金を乙に請求できるものとする。


しかし, 売主の立場からすれば, 納入遅延が発生すれば直ちに必ず損害が発生するという前提はおかしいし(買主側で余裕をもって注文しまたは適正在庫があれば損害回避可能), 「年〇%」が妥当か否かも不明であるし, また, 仮に納入不能の場合には買主が契約解除しない限り遅延損害金が無限に拡大することになるので, この規定を拒否する可能性が高いでしょう。更に, 買主から売主に対しこの規定の追加を提案したことがきっかけで, 逆に, 売主からも買主に対し支払遅延等に対する「年〇%」の遅延賠償規定追加を提案されることも想定されます。

(例2—どちらかと言えば売主の立場からの規定)


第4条(製品の納入・設置・受入検査等)


1. 個別契約に定める条件に従い, 乙は本製品を甲に納入するものとし甲はこれを受領するものとする


2. 乙は, 個別契約において本製品の設置(ソフトウェアのインストレーションおよび本製品の動作確認を含む。以下同じ)の料金が含まれている場合(その料金が本製品の価格の一部として含まれているか否かを問わない)には, 本製品の納入場所で当該設置を行うものとする。


3.前項により乙が設置を行う本製品については, 乙が乙所定の検査を行い, 甲が当該検査の結果問題のないことを確認することによって受入検査が完了したものとする。乙は, 甲の請求により, 注文前その他いつでも当該検査の項目に関する情報を甲に提供するものとする。


4.乙が設置義務を負わない本製品についてその種類(品目)または数量が個別契約と相違する場合, 甲はその納入後〇営業日以内にその旨書面で乙に通知するものとし, 乙は速やかにこれを是正するものとする。当該期間内に当該通知がない場合にはかかる相違はなかったものとみなす。


【解 説】


(第1項)ここでは売主の立場から「...甲はこれを受領するものとする」として買主の受領義務を定めています。この点, 売主が個別契約通り製品を納入しようとしたのに買主がその受領を拒絶した場合に関し, 民法には危険負担等に関する規定があります(例:民法413(1), 413の2(2), 536(2), 567(2))。しかし, 買主の受領遅滞に対し売主が損害賠償請求・解除等の権利を有するかについては民法に規定はなく, 判例(最高裁昭和40年12月3日判決)は特約または信義則上買主に特別の引き取り義務のない限りそのような権利はないとしています[6]。そこで, 上記規定例第1項では買主に受領義務を課し, そのことによって, 買主が受領拒否した場合には売主はこれを契約違反として損害賠償請求・解除等ができるようにしたものです。

(第2項~第4項)上記規定例では, 売主が製品の設置・動作確認を行う場合と納入しか行わない場合に分けて規定しています。

上記規定例では, 本製品は売主の標準製品であり, 売主が製品の設置・動作確認を行う場合は, 売主所定の手順により設置・動作確認(コンピュータの場合検査用ソフトウェアによる検査を含む)を行い買主が立会いの上その結果に問題がないことを確認することにより受入検査が完了したものとすることにしています(製品の種類(品目)および数量の過不足は当然この過程で相互に確認される)。売主の標準製品の場合, 買主もその製品に関する専門的知識を有しかつ買主独自の検査を行いたいというのでない限り, このような確認方法が実情に合うように思われます。

一方, 売主が製品の納入しか行わない場合, 製品の種類(品目)または数量が個別契約と相違するか否かだけ一定期間内に買主が確認し, その期間内に通知がなければその相違はなかったものとみなすことにしています。上記のような立会確認は行われない一方, 買主が外部から容易に確認できる(直ちに発見できる)筈なので早期に処理することにしたものです(この点, 民法とは反対の考え方[7])。

反対に, それを実際に使用してみなければそれがあるかどうか分からない(直ちに発見することができない)ことの多い製品の品質上の不適合については買主に納入時の検査義務を負わせることはしていません(それを行うか否かは買主の自由)。この場合, 納入後に買主が発見した品質上の不適合は全て製品の保証(不適合)責任の問題として取り扱うことにし別途規定することとしています。

以上のような想定のケースでは, 製品の納入・設置・受入検査等に関する規定は, 上記条項例のようにシンプルなものとなります。

page top

Q3: コンピュータ取引に係る基本契約の例


A3: 以下に, 参考までに, 筆者が作成した基本契約のサンプルの内今回取り上げた項目を含む部分を示します。コンピュータメーカー(日本ABC)がその標準製品であるコンピュータ製品の取引のため作成したひな型という設定です。
 

第3条  個別契約


1.本契約に定めるものを除き, 日本ABCからお客様に販売される製品またはサービスの名称, 数量, 価格, 納期等の条件は, 個別契約で定めるものとします。


2.個別契約は, お客様が, 前項により個別契約で定めるべき条件を記載した書面(以下「注文書」という)を日本ABCに送付し, 日本ABCがこれを異議なく承諾する旨の書面(以下「注文請書」という)をお客様に送付した場合に限り, 当該注文請書がお客様に到達した時点で有効に成立したものとします。


3.本契約は, お客様および日本ABCに, それぞれ注文の義務および注文を承諾する義務を課すものではないものとします。


 

第4条 製品の納入・設置・受入検査等


1. 個別契約に定める条件に従い, 日本ABCは本製品をお客様に納入するものとしお客様はこれを受領するものとします。


2. 日本ABCは, 個別契約において本製品の設置(ソフトウェアのインストレーションおよび本製品の動作確認を含む。以下同じ)の料金が含まれている場合(その料金が本製品の価格の一部として含まれているか否かを問わない)には, 本製品の納入場所で当該設置を行うものとします。


3.前項により日本ABCが設置を行う本製品については, 日本ABCが日本ABC所定の検査を行い, お客様が当該検査の結果問題のないことを確認することによって受入検査が完了したものとします。日本ABCは, お客様の請求により, 注文前その他いつでも当該検査の項目に関する情報をお客様に提供するものとします。


4.日本ABCが設置義務を負わない本製品についてその種類(品目)または数量が個別契約と相違する場合, お客様はその納入後〇営業日以内にその旨書面で日本ABCに通知するものとし, 日本ABCは速やかにこれを是正するものとします。当該期間内に当該通知がない場合にはかかる相違はなかったものとみなします。


page top


今回はここまでです。

「QAで学ぶ契約書作成・審査の基礎」シリーズ:過去の回


 

[8]                 

【注】                                   

[1] 【下請法の適用がある場合】 (参考) (1) 公正取引委員会・中小企業庁「ポイント解説 下請法」(以下「ポイント」) p 1~, (2) 公正取引委員会サイト「令和3年 11 月 下請取引適正化推進講習会テ キ ス ト」(以下「テキスト」)  p 4~

[2] 【下請法3条:書面交付義務】 (参考) (1)ポイント p 16~, (2) テキスト p 25~,  p 94~(3条書面参考例)

[3] 【下請法5条:書面の作成・保存義務】 (参考) (1)ポイント p 19, (2) テキスト p 36~

[4] 【受発注義務】 (参考) 阿部・井窪・片山法律事務所 (編集)「契約書作成の実務と書式 -- 企業実務家視点の雛形とその解説 第2版」 2019/9/24, p 33, 34

[5] 「特別採用」または「特採」】 (参考) 滝川 宜信「取引基本契約書の作成と審査の実務 [第4版]」 2012/4/1, 民事法研究会,  p 62, 63

[6] 【買主の受領義務・受領遅滞の効果】 (参考) 阿部・井窪・片山法律事務所 (編集)「契約書作成の実務と書式 -- 企業実務家視点の雛形とその解説 第2版」 2019/9/24, p 40~42。但し, 下請法の適用がある場合には, 親事業者(買主)は,下請事業者(売主)の責に帰すべき理由がないのに,下請事業者の給付の受領を拒むこと禁止されている(下請法4(1)一)ので, その反射的効果として, 買主に受領義務があると思われる。

[7] 【種類・数量不適合に関する民法の考え方】民法566条によれば, 売主が売買目的物の「種類又は品質」に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合, 買主はその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは, 買主は履行追完請求等をすることができない。ここで「数量」は除かれているから, 民法116条1項により5年間の消滅時効の適用を受けるだけである(*)。しかし, 現実の取引を考えると, 売買目的物の「種類」の不適合(品目違い)または数量の不適合(数量相違)がその「1年」や「5年間」の経過直前にクレームされ対応しなければならないというのは, (i)そのような不適合は通常納入後短期間で検査・発見可能である(直ちに発見できる)こと, (ii)そのように時間が経過してクレームされてもその真偽確認が困難であること, (ii)企業間取引ではトラブル処理も含め迅速性が必要であることから考えれば, 不合理と思われる。

(*)廣瀬 崇史「【連載】法務初心者のための契約書作成・レビューのポイント—第4回 取引基本契約のレビュー 検査・契約不適合責任条項のポイント」 2021年11月05日,  Business Lawyers 注2参照。

[8]

 

【免責条項】


本コラムは筆者の経験にもとづく私見を含むものです。本コラムに関連し発生し得る一切の損害などについて当社および筆者は責任を負いません。実際の業務においては,自己責任の下,必要に応じ適宜弁護士のアドバイスを仰ぐなどしてご対応ください。

 

 

【筆者プロフィール】


浅井 敏雄  (あさい としお)


企業法務関連の研究を行うUniLaw企業法務研究所代表/一般社団法人GBL研究所理事


1978年東北大学法学部卒業。1978年から2017年8月まで企業法務に従事。法務・知的財産部門の責任者を日本・米系・仏系の三社で歴任。1998年弁理士試験合格 (現在は非登録)。2003年Temple University Law School  (東京校) Certificate of American Law Study取得。GBL研究所理事, 国際商事研究学会会員, 国際取引法学会会員, IAPP  (International Association of Privacy Professionals) 会員, CIPP/E  (Certified Information Privacy Professional/Europe)

【発表論文・書籍一覧】


https://www.theunilaw2.com/


 

シェアする

  • はてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • 資質タイプ×業務フィールドチェック
  • TKC
  • 法務人材の紹介 経験者・法科大学院修了生
  • 法務人材の派遣 登録者多数/高い法的素養

新着情報

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビの課題別ソリューション

企業法務人手不足を解消したい!

2007年創業以来、法務経験者・法科大学院修了生など
企業法務に特化した人材紹介・派遣を行っております。

業務を効率化したい!

企業法務業務を効率化したい!

契約法務、翻訳等、法務部門に関連する業務を
効率化するリーガルテック商材や、
アウトソーシングサービス等をご紹介しています。

企業法務の業務を効率化

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビに興味を持たれた法人様へ

企業法務ナビを活用して顧客開拓をされたい企業、弁護士の方はこちらからお問い合わせください。