QAで学ぶ契約書作成・審査の基礎 18回 取引基本契約(契約名~適用範囲)
2022/02/15   契約法務

 

今回から企業間で継続的かつ反復(繰り返し)して行われる売買を中心とした取引に共通する基本的条件を定める契約(以下「基本契約」)に関し解説します。今回は, 契約名・前文・目的・適用範囲の部分を解説します。また, 毎回, 最後に, 参考までに, 筆者が作成したコンピュータ取引に係る基本契約の対応部分を紹介します。

 

【目  次】


(各箇所をクリックすると該当箇所にジャンプします)


Q1: 基本契約の名称は?


Q2: 基本契約の前文は?


Q3: 契約の目的に関する規定は?


Q4: 英文契約のように最初に定義条項は置かないのか?


Q5: 契約の適用範囲に関する規定は?


Q6: コンピュータ取引に係る基本契約の例


 
 

Q1: 基本契約の名称は


A1: ①「取引基本契約」, ②「売買基本契約」, ③「〇〇製品販売契約」, ④「購買基本契約」, ⑤「資材取引基本契約」などの例があります。

【解 説】


いずれも「...契約」でも「...契約」でもどちらでも構いません。③はその製品の供給者側(以下「売主」という)の, ④と⑤はその供給を受ける側(以下「買主」という)(特に大手企業が外部企業から製品, 部品等を調達するため)の契約のひな型に用いられることが多い名称です。取引内容として売買だけでなくソフトウェアのライセンス, (有償)サービスの提供等もある場合や中立的名称にしたい場合には, ①の「取引基本契約」のような名称がよいかもしれません。

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Q2: 基本契約の前文は?


A2: 以下に例を示します。

 


取引基本契約書


○○株式会社(以下「甲」という)および株式会社○○○○(以下「乙」という)は, 乙の取扱う○○○○製品(以下「本製品」という)の取引に関する基本的条件に関し, 以下の通り契約(以下「本契約」という)を締結する。



【解 説】


【当事者の略称】通常, 前文で各当事者の正式名称に続けその略称を記載します。その略称としては, 「甲」, 「乙」がどのような契約でも使えるので実務上最も多く使用されています。自社を「甲」とするのか, 相手方を「乙」とするのかについて決まりはありませんが, 自社が売主側で契約書のファーストドラフト(自社ひな型を含む)を提示する場合は相手方(顧客:買主)を立てて意識的に相手方を「甲」とすることがあります。

一方, 「売主」/「買主」のように, 各当事者の取引上の立場を示す略称を使うこともあります。

自社の標準契約書(ひな型)の場合, 「甲」/「乙」の代わりに, 自社について自社の略称(例:「日本ABC株式会社(以下「日本ABC」という)」)を使い, 相手方については, 例えば, 「お客様」/「買主」/「供給者」/「パートナー」などのような略称を用いることがあります。勿論, 相手方が決まっていれば, 相手方が自ら使っている略称を使用しても構いません。

上記の「売主」/「買主」や略称を使う場合には, 「甲」/「乙」を使う場合に比べ本文中で両者を取り違えて書いて(または読んで)しまうミスは減るでしょう。

【前文における取引目的物への言及】前文では取引の目的物に関しても言及する場合が多いと言えます。その言及の方法としては, ①「乙[売主]の取扱う製品」, ②「甲が乙から購入する製品, 部品その他資材」, ③「乙の取扱う○○○○製品」, ④「第1条で定める製品」など様々なパターンがあります。

取引目的物に関し, ①, ②以上に限定する必要がなければ, ①, ②の記載の後に「(以下「本製品」という)」と続けて構いません。しかし, より具体的に特定・限定する必要がある場合は③のようにするか, それでもまだ正確には特定できない場合は④のように本文中で具体的に特定・定義する必要があります。

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Q3: 契約の目的に関する規定は?


A3: 以下に例を示します。

(例1)


第1条(目的)


本契約に従い, 乙は, 本製品を甲に継続的に供給し, 甲はこれを継続的に購入するものとし, もって, 共同の利益の増進と円滑な取引の維持を図る


(例2)


第1条(目的)


本契約に従い, 乙は, その製造する本製品を, 甲に対し, その再販売のために継続的かつ安定的に供給し, 甲はこれを購入する。


(例3)


第1条(目的)


1.本契約は, 乙の取扱う本製品の甲乙間の取引に関する基本的条件を定めることを目的とする。


2.本契約において「本製品」とは, ......をいうものとする。


【解 説】


契約の「目的」(というタイトル名の)条項に何を書くべきかは特に決まっているわけでも, それを必ず書かなけれならないというものでもありません(「目的」条項を置かず, いきなり, 適用範囲, 個別契約等を規定してもよい)。

また, 「目的」というタイトルのもとで書かれる内容も様々です。

上記(例1)のように下線部分(「もって, 」以下)のように精神的な文言を入れる例もあります。この文言(および「継続的に」の文言)は, それがあるからと言って, 例えば, 契約打切りに関する訴訟で裁判所が考慮して判断することはおそらくないでしょう。しかし, 訴訟が始まる前の場面では, 打ち切られる側(売主側または買主側)からこの文言を持ち出される可能性はあると思われ, 打ち切る側からすると少々やっかいな気がします。

上記(例2)の下線部については, 買主側の立場から, 売主に対し, 販売する製品は売主自らが製造したものであるべきこと, および, 買主はその製品を購入して再販売するのであるから継続的かつ安定的な供給がなされるべきことを確認させようとする意図があるように感じられます。

しかし, 売主側の立場からすると, このような文言を入れた場合, 製品の製造の第三者委託を制限され, また, 製品納入遅延・不履行により買主が再販売先への製品供給遅延・不履行に陥りそれにより買主が蒙った損害(再販売による逸失利益, 再販売先から請求された損害賠償等)が売主にとり予見可能な損害として賠償範囲に含まれてしまう可能性(民法416)もあるように思われ, 可能ならば削除した方がよいでしょう。

上記(例3)は, 上記のような文言は入れず, 単純に客観的に, 当事者間の取引条件を定めること自体を目的として規定し, 併せて, 第2項で「製品」の定義をしています。この例3の場合は, 前文の内容と重複しないよう, 前文の方は, 単に「○○株式会社(以下「甲」という)および株式会社○○○○(以下「乙」という)は, 以下の通り契約(以下「本契約」)を締結する。」で構いません。

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Q4: 英文契約のように最初に定義条項は置かないのか?


A4:日本の契約書では, 伝統的に, その用語が最初に登場する都度「......(定義となる文言)......(以下「○○」という)......」のようにして定義する場合の方が多いと言えます。しかし, 勿論独立した定義条項を置いても構いません(本稿末尾契約例第1条参照)。むしろ正確な定義が必要な用語が一定以上の数ある場合は独立した定義規定を置いた方がよいと言えます。

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Q5: 契約の適用範囲に関する規定は?


A5: 以下に例を示します。
 

(例1)


第2条(適用範囲)


本契約に定める条件は, 本契約の有効期間中に甲乙間で行われる本製品の個々の取引契約(以下「個別契約」という)の全てに共通して適用する。但し, 個別契約に本契約と異なる条件を定めた場合は, 当該個別契約の条件を優先して適用する


(例2)


第2条(適用範囲)


本契約に定める条件は, 本契約の有効期間中に甲乙間で成立した本製品の個々の取引契約(以下「個別契約」という)の全てに共通して適用されるものとし, 両当事者が別途同一書面に署名(記名押印を含む)して合意しない限り, 追加の契約条件または本契約と牴触する契約条件は効力を有しないものとする。


(例3)


第2条(適用範囲)


1.本契約に定める条件は, 甲[買主]の〇〇工場資材部[または「○○事業本部購買部」など]が乙に対し行う注文に適用する。


2.(例1または例2と同じ)


【解 説】


基本契約の機能は, 当事者間で継続的かつ反復(繰り返し)して行われる取引(個別取引)に共通する基本的条件を定め, その基本的条件については個別取引ごとの契約交渉を省略し取引の効率化を図ることであり, 上記各例はそのことを明示しています。一方, 実際に取引される取引目的物, その価格, 納期等は, 個別取引ごとに合意される必要があり, その個別取引に係る契約(個別契約)と, 基本契約の優先関係が問題となります。

上記(例1)は, この点, 基本契約よりも個別契約を優先するものでこのような例が多いと言えます。しかし, 個別契約は, 通常, 現場(購買部門・営業部門)レベルの注文書・注文請書のやりとりで成立し, 可能性としては, 以下の①~③のようなこともあり得, そうだとすると, 法務部門が折角苦労して作成したまたは相手方と交渉の上合意した基本契約の条件がそのような個別契約の条件に優先されてしまうのは本当にいいのかという疑問があります。

①基本契約では製品の保証期間(不適合責任の期間)が受入検査合格時から1年間とされているのに, 買主の購買部門が注文書に「保証期間3年」と記載し, この注文書に対し売主の営業部門が異議なく注文請書を発行してしまった。

②買主が買主所定書式の注文書を発行しそこには「契約条件は裏面[または下記]条項による」とありその内容は基本契約とは全く異なる売主にとり不利なものだったが, この注文書に対し売主の営業部門が異議なく注文請書を発行してしまった。例えば, この注文書の条件には, 基本契約にある責任制限条項はなく, むしろ, 「乙[売主]は, 本契約に違反し甲[買主]に損害を生じさせた場合にはその全損害に対し責任を負うものとする。」との定めがあった。

③買主からの注文書に対し売主が所定書式の注文請書を発行しそこには「契約条件は裏面[または下記]条項による」とありその内容は基本契約とは全く異なる買主にとり不利なものだったが, その後そのまま取引が履行された。

上記(例2)は, この点に対し, 例1とは逆に, 基本契約を優先させることとしたものです。勿論, 取引目的物など元々個別取引ごとに定めると規定している事項以外の事項についても, 特定の場合には, 基本契約に定める条件が適合しない場合があり得ます。そこで, その場合には, 両当事者が別途同一書面に署名(記名押印を含む)して合意しない限り, 追加の契約条件または本契約と牴触する契約条件は効力を有しない」とし, 買主・売主が一方的に発行する注文書・注文請書に記載された契約条件の適用を排除しつつ, 両当事者が別途同一書面に署名(記名押印を含む)して合意すればその合意された契約条件を優先適用することとしたものです(注文書等に電子的なものを含める場合には本稿末尾契約例第1条参照)。ちなみに, 英文契約の基本契約では筆者の知る限り基本契約を優先させるものの方が多いと言えます。

なお, 例1の「本契約の有効期間中に甲乙間で行われる本製品の個々の取引契約(以下「個別契約」という)の全てに共通して適用する」の内下線部分は, 例2では「甲乙間で成立した」としています。これは, 本契約の有効期間中に注文請書が買主に到達して個別契約が成立していれば, 本契約有効期間終了後も基本契約が適用されることを明確にしたものです。例1ではそういう意味になるのか明確でないように思われます。

上記(例3)は, 第1項で, 本契約の適用範囲を買主の注文書発行部門によって限定しています。大企業では, 工場または事業本部ごとに購買部門がありそれぞれ別々に納入業者と契約・発注していることがあります。このような場合, 買主側から契約前文を「○○株式会社(以下「甲」という)××工場資材部および株式会社○○○○(以下「乙」という)は, ...以下の通り契約...を締結する。」などとする契約ひな型を提示されることがあります。しかし, 契約の当事者となれるのはあくまでその会社(法人)であり資材部(購買部)のような部門は契約の当事者にはなれません。この点, そのままでも裁判所は契約の当事者をその会社と解釈し契約の有効性を否定することはおそらくないとは思いますが, やはりおかしいので, 相手方としては, 上記下線部分を「○○株式会社(以下「甲」という)」だけに修正した上上記(例3)第1項のように規定することを提案すべきでしょう。

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Q6: コンピュータ取引に係る基本契約の例


A6: 以下に, 参考までに, 筆者が作成した基本契約のサンプルの内今回取り上げた項目を含む部分を示します。コンピュータメーカー(日本ABC)がその標準製品であるコンピュータ製品の取引のため作成したひな型という設定です。
 

(契約書1枚目:表紙)


 


取 引 基 本 契 約 書


お客様:              .


日本ABC株式会社


契約番号:             .


当初契約期間開始日:20        日(本契約発効日)


当初契約期間満了日:20       


[本契約別紙]


・日本ABCソフトウェア・ライセンス条項


[以下, 該当の□に「X」を記入]


・□製品割引合意書(エンドユーザー用)


・□:                      .


 (契約書2枚目)


下記のお客様(以下「お客様」という)と日本ABC株式会社(以下「日本ABC」という)は, 本契約を締結したので, その証として, 以下の者が各自を代表して署名し各自その一部を保有します。


お客様


所在地:


会社名:


役職名:


氏  名:


日本ABC


所在地:東京都千代田区千代田1-1-1


会社名:日本ABC株式会社


役職名:


氏  名:


(契約書3枚目以降)


取  引  基  本  契  約  書


本契約は, お客様と日本ABC間で締結され, 日本ABCがその製品をお客様に販売し, お客様がこれを自己使用するための条件を規定するものとします。


第1条  定  義


1. 本契約において, 「製品」とは, 価格表記載のハードウェア製品(以下「ハードウェア」という)およびソフトウェア製品(以下「ソフトウェア」という)であって, 日本ABC製品または第三者製品を意味するものとします。なお, 「製品」は, 通常の業務用に製造されており, 原子力発電その他高度の安全性を要するシステム用に製造されたものではありません。


2. 本契約において, 「日本ABC製品」とは, 日本ABCの商標を付して販売される「製品」を意味するものとし, 「第三者製品」とは, 日本ABC以外の者の商標を付して販売される「製品」を意味するものとします。


3. 本契約において, 「価格表」とは, 日本ABCがお客様の注文を承諾した時点で有効な日本ABC所定の価格表を意味するものとします。乙は, 甲の請求により, 注文前その他いつでも価格表を甲に提供するものとする。


4. 本契約において, 「見積書」とは, 日本ABCがお客様の注文を承諾した時点で有効な日本ABC発行の見積書を意味するものとします。


5. 本契約において, 「ソフトウェア」について, 「販売」または「購入」の用語が使用された場合には, 特にその旨が明記されていない場合でも, 「ソフトウェア」のライセンス(利用権の許諾)または頒布を意味するものとします。


6. 本契約において, 「書面」, 「価格表」, 「見積書」, 「注文書」, 「注文請書」その他書面を意味する用語には, 電子的に作成されたものであって予め両当事者が合意したものを含むものとします。


7. 本契約において, 「署名」には, 記名押印およびある電子文書がある者により作成されたものであることを示すために行われる電子的措置であって予め両当事者が合意したものを含むものとします。


8. 本契約において, 「営業日」とは, 日本における, 土曜日, 日曜日, 国民の祝日および毎年12月31日から翌年1月3日までの日以外の日をいうものとする。


第2条  子会社等の参加


お客様がその50%超の株式を有する会社(子会社), お客様の50%超の株式を有する会社(親会社), またはお客様の親会社が50%超の株式を有する会社(兄弟会社)は, 別途日本ABCに所定の同意書を提出することにより, 本契約と同一条件で日本ABCと取引できるものとします。なお, これらの株式保有比率にはお客様またはその親会社の他の子会社が保有する株式も含まれるものとします。


第3条  契約期間


本契約は, 本契約表記の当初契約期間有効とし, 当該期間満了日の1ヶ月前までにお客様または日本ABCが相手方に書面で, 本契約の終了等別段の意思表示をしない限り, 更に1年間同一条件で更新されるものとし, 以後も同様とします。


第4条(適用範囲)


本契約に定める条件は, 本契約の有効期間中にお客様と日本ABC間で成立した製品またはサービスの個々の取引契約(以下「個別契約」という)の全てに共通して適用されるものとし, 両当事者が別途同一書面に署名して合意しない限り, 追加の契約条件または本契約と牴触する契約条件は効力を有しないものとします。


 


(以下省略)


 

【解 説】


【全体の説明】企業は多数の顧客または取引先と契約を締結することが多いので, その管理のため, 契約書名, 相手方名, 契約期間その他相手方ごとに異なる条件(例:割引率)等の情報をデータとして管理したいというニーズがあります。また, 契約を実際に見る場合でも, 最初にこれらの情報があるとページをめくらなくてもいいいので便利です。上記の例は, このようなニーズに応えるために工夫したものです。上記例では1枚目が契約書の表紙, 2枚目が調印欄となっていますが, 両方を1枚にまとめても構いません。

契約の期間・更新時期は営業サイドも含めた重大関心事なので, 契約書1枚目(表紙)に当初契約期間の開始日(本契約発効日)とその満了日を記入するようにしています。なお, 当初契約期間の開始日だけでなくその満了日も記載するのは, 契約の更新を原則として1年ごととしたときは, そのままでは, 当初契約期間開始日が○○年9月12日のような中途半端な日の場合毎年の更新日もその日となるところ, 更新日をお客様または売主側の会計年度初日(例:毎年4月1日)等に合わせることができるようにするための工夫です。

契約書2枚目では, この契約を電子契約の形で締結する場合にも使えるよう「各自記名押印の上」というような文言ではなく「以下の者が各自を代表して署名[記名押印を含む]し」という文言としています。

なお, 「書面」, 「署名」等については, 契約書3枚目第1条第6項, 第7項で電子的なものも含まれることを明記しています。

なお, この契約ひな型はブランク部分のみ営業サイドでインプットできるようにし, 他の部分は変更できないようにしています(他の部分を変更する場合は, 営業サイドから法務部に相談し必要なら変更覚書または新たに契約作成)。

【前 文】ソフトウェアのライセンス管理, 輸出管理規制, 購入実績が多額の顧客向け適用割引率(エンドユーザと再販業者で異なる)等の理由から「お客様がこれを自己使用する」ことを明記しています。

【第1条  定  義】定義すべき用語がいくつかあるので最初に独立した定義条項を置いています。

(第1条第1項・第2項)日本ABCが取り扱う製品には, 自社ブランド製品(「日本ABC製品」)と, 第三者ブランド製品(「第三者製品」)があり, それぞれ保証期間・内容, ライセンス条件等が異なるので, このように区別し定義しています。

『なお, 「製品」は, 通常の業務用に製造されており, 原子力発電その他高度の安全性を要するシステム用に製造されたものではありません。』とは, そのことを「お客様」にWarningするとともに, 仮にお客様がそのような用途に使用し事故等が発生しても責任は負わないという意思表示の意味です(そのような特殊用途品を販売する場合は別途契約)。

(第1条第3項・第4項)この基本契約で取引される製品は日本ABCの標準製品であり, その標準価格は価格表に記載されており, 割引等の合意がない限りその価格表通りの価格か, 日本ABCが事前に見積書で提示しお客様が同意し注文書に記載された価格が適用されます。なお, 価格表には, 各製品の単価, 単価は送料や設置(動作確認を含む)料込みか否か, 単価込みでない場合の送料, 規定外の遠隔地への送料, 単価込みでないが別途設置サービスを購入可能な場合の料金, 保証の有無・期間・種類内容, 有償保守サービスの種類内容・料金等も表示されています。これらの情報は, 顧客がWeb上で各製品ごとに表示させることも可能です。

(第1条第5項)本契約の記述の都合上, 「ソフトウェア」についても「販売」または「購入」の用語が使用される場合がありますが, 特にその旨が明記されていない場合でも, 「ソフトウェア」の著作権その他知的財産権の売買ではなく, 「ソフトウェア」のライセンス(利用権の許諾)または(利用権の許諾)または頒布[パッケージソフト等]を意味することを明確化しています。

(第1条第8項)本契約中で期間計算について「営業日」の用語を使うことがありますが, その確定した定義はないので, ここで定義しています。

【第2条  子会社等の参加】同一企業グループ内の企業には個別の契約交渉を省略して同一の契約条件を適用すること, および, グループ全体の購入実績に基づいた割引率を適用することを意図した規定です。

【第3条  契約期間】前記の通り, 契約期間・更新時期は営業サイドも含めた重大関心事なので, 契約書最初の方に契約期間条項を置いています。

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今回はここまでです。

「QAで学ぶ契約書作成・審査の基礎」シリーズ:過去の回


 

[1]                 

【注】                                   

[1]

 

【免責条項】


本コラムは筆者の経験にもとづく私見を含むものです。本コラムに関連し発生し得る一切の損害などについて当社および筆者は責任を負いません。実際の業務においては,自己責任の下,必要に応じ適宜弁護士のアドバイスを仰ぐなどしてご対応ください。
 

【筆者プロフィール】


浅井 敏雄  (あさい としお)


企業法務関連の研究を行うUniLaw企業法務研究所代表/一般社団法人GBL研究所理事


1978年東北大学法学部卒業。1978年から2017年8月まで企業法務に従事。法務・知的財産部門の責任者を日本・米系・仏系の三社で歴任。1998年弁理士試験合格 (現在は非登録)。2003年Temple University Law School  (東京校) Certificate of American Law Study取得。GBL研究所理事, 国際商事研究学会会員, 国際取引法学会会員, IAPP  (International Association of Privacy Professionals) 会員, CIPP/E  (Certified Information Privacy Professional/Europe)

【発表論文・書籍一覧】


https://www.theunilaw2.com/


 

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