【法務NAVIまとめ】契約書に不備があった場合の対処について
2016/08/15   契約法務, 民法・商法, その他

はじめに
 企業が当事者になる契約の場合、契約書を作成するのが一般的です。もっとも、信頼取引という立場から契約書を作成しなかったり、契約書自体は作成したものの記載事項に不備があるという事態は少なからず存在します。
 そこで、このような事態が生じた場合の対処方法についてまとめたいと思います。

契約書の基本的な記載事項について
 まず、契約書の基本的な構造についてみてみましょう。リンク先では契約書の記載事項やチェックポイントを確認することができます。
出典 契約書の記載事項とチェックポイント やまラボ 山口法務研究所

契約成立時と契約書作成日にズレがある場合
 契約書記載に契約成立日とは、契約書作成日を意味することが多く、その場合、契約書作成日より前に取引が開始することもあります。そのような取引に契約の効力を及ぼすための手法を見てみましょう。
出典 契約日のバックデイト 小倉総合法律事務所

表題に不備があった場合
 不動産賃貸契約についての契約書であるにもかかわらず、「売買契約書」と表示してしまった場合があたります。契約の性質は、契約書の内容等から判断されるため、基本的には不利益は生じません。
 ただ、たとえば売買契約についての契約書であるにもかかわらず賃貸借契約書という表題がついている可能性があることを法務担当者は意識して契約書をチェックする必要があるでしょう。

印紙に貼忘れがあったときは?
 リンク先で見ることができるように印紙の貼り忘れによって契約書の有効性に影響はありませんが、印紙を貼り忘れた場合には過怠税が課されます。
 印紙を貼り忘れた場合の過怠税は、調査前に自己申告することで減額されます(印紙税法20条2項)。
出典 福澤法律事務所

当事者の記載に誤記があった場合
 契約当事者の甲と乙が逆になっていた場合等がこれにあたります。明らかな誤記と判断されない場合、重要なトラブルになりかねないので、成立した契約の契約書についてもこまめにチェックして、誤記があれば、紛争が生じる前に当事者に訂正を求めるのがよろしいかと思います。リンク先においても、当事者の記載の誤りについては特に注意を促しています。
出典 契約書のチェックポイント IT弁護士.com

契約書の訂正方法
 リンク先で契約書の訂正方法で見ることができます。
 もっとも、契約書の誤記が多い場合等は、契約書を訂正するのではなく、契約書を作り直すことの方が多いようです。
出典 契約書の訂正方法について 行政書士古川紀夫事務所

契約書を作成しなかった場合・紛失した場合
 訴訟になった場合、契約書が手元にない場合でも、必ずしも敗訴するわけではなく、他の証拠から契約の存在を証明することができる場合があります。リンク先では、この点について詳細を確認することができます。
出典 契約書 契約書がない場合の契約内容の立証方法 - 菊池捷男

さいごに
 契約書に不備がある場合、特に本文に明らかとはいえない誤記があった場合紛争が生じた場合に深刻な被害が生じる可能性もあります。実際の訴訟になると、契約書が証拠として提出された場合、その内容とおりの契約の成立が認められるケースはかなり多いので、可能な限り契約書を作成するようにし、かつ、そのチェックを徹底して行うのがよろしいでしょう。その際には、専門家を利用するのも有効な手段です。

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