【法務NAVIまとめ】広告違反のリスクを避けるポイント
2015/12/22 広告法務, 消費者取引関連法務, 景品表示法, その他

1 はじめに
インターネットが身近な生活になり、Web上でのコミュニケーショントラブルが多くなった。特に、虚偽・誇大な表現を用いた悪質な広告による消費者の被害が増加しており、広告表現に関する規制は年々、厳しくなっている。
広告を取り締まる法規制の一つに「景品表示法」がある。
今回は、未然に「景品表示法」違反のリスクを回避するため、広告表現で気をつけるべき「景品表示法」のポイントを紹介する。
2 「景品表示法」とは
「景品表示法」は、消費者の方々が安心して良い商品やサービスを、自主的かつ合理的に選べる環境を守るために作られた法律だ。制定されたきっかけは、昭和35年に起きた<ニセ牛缶事件>である。
一般消費者の利益を守るための法律「景品表示法」では、商品やサービスの品質、内容、価格などを偽って表示を行う「不当な表示(優良誤認・有利誤認)」に対して厳しい規制をひいている。また、提供サービスに見合わない「過大な景品類の提供」を禁止し、景品類の最高額・総額を制限し、不当な顧客誘引の防止を目的に禁止規制をひいている。
ニセ牛缶事件
3 「景品表示法」2大禁止事項。『不当な表示』と『過大な景品提供』
(1) 不当な表示
不当な表示とは、嘘偽りや誇大した表現のことを指す。このような表現を禁止し、商品・サービスの情報が正しく・わかりやすく伝わるように促すことで、消費者が正当に商品・サービスを自分の意思で選択できるようにすることを目的としている。
不当な表示として①優良誤認表示②有利誤認表示③その他誤認されるおそれのある表示、が禁止されている。
不当な表示 法令
不当な表示 例示
(2) 過大な景品提供
過大な景品提供とは、商品・サービスの提供のために過剰な景品を用意することである。こうした景品類で消費者を惑わすことを禁止し、支払う対価に見合わない商品やサービスによる被害を防ぐことを目的としている。
過大な景品提供
4 「景品表示法」違反のリスク
景品表示法の内容に反する行為が認められた場合、消費者庁または公正取引委員会(調査)や都道府県から事業者に対して注意・指示・指導が入る。それらに従わなかった場合、事業者に対して措置命令等がなされる。
消費者庁が公表しているデータによると、措置命令件数は、年々増加の傾向が見られる。
さらに、2014年12月の施行・改正では、監視体制強化の一貫として都道府県知事へ消費者庁と同等の権限が付与されることになった。つまり「この情報は本当なのか?」をチェックする目が増え、より執行体制が厳しく迅速に行われることになった。
景品表示法違反に対する措置
景品表示法に基づく法的措置件数の推移(平成27年8月31日現在)
5 まとめ
ここまで、「景品表示法」違反のリスクを回避するため、広告表現で気をつけるべきポイントを紹介した。取扱商品・サービスによっては薬事法・医療法など、いろいろな法律にも注意が必要となる。
この記事をもとに、企業内での「コンプライアンス」意識の徹底を見直していただき、リスクのない広告表現を行っていただきたい。
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