【法務NAVIまとめ】派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針のまとめ
2015/11/17 労務法務, 労働者派遣法, その他

労働者派遣事業は、派遣労働者が派遣元事業主に雇用されながら、派遣先から指揮命令を受けて労 働に従事するという複雑な形態で事業が行われる。 このため、派遣労働者の保護と雇用の安定を図る観点から、派遣元事業主に対し、適正な雇用管理 のための措置を講じさせる必要がある。以下、派遣元事業主の注意点及び労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成27年9月30日以降)のまとめです。
1、注意点について
(1)労働者派遣事業は許可制に一本化されました。
従来の一般労働者派遣事業(許可制)と特定労働者派遣事業(届出制)の区別がなくなり許可制になりました。
出典:厚生労働省
(2)期間制限のルールが変わりました(但し、派遣先から派遣元への抵触日の通知は変わりません)
① 派遣先事業所単位の期間制限
同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。
② 派遣労働者個人単位の期間制限
同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度となります。
(3)派遣元事業主に新たに課される内容
①雇用安定措置の実施
出典:大阪・派遣許可対策室
②キャリアアップ措置の実施
③均衡待遇の推進
出典:株式会社ソリューションアンドパートナーズ
④派遣元管理台帳に記載する事項
出典:藤澤労務行政事務所
(4)労働契約申込みみなし制度
派遣先が次に掲げる違法派遣を受け入れた場合、その時点で、 派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣
元における労働条件と 同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。
2、労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成27年9月30日以降)のまとめ
(1)特定有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等のための措置(法第30条)
出典:大阪・派遣許可対策室
(2)段階的かつ体系的な教育訓練等(法第30条の2)
キャリアアップ措置の実施、均衡待遇の推進が新設されました。
出典:株式会社ソリューションアンドパートナーズ
(3) 均衡を考慮した待遇の確保のための措置(法第30条の3)
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあったときは、均等待遇等配慮すべきこととされている事項につき考慮した事項を労働者に説明しなければならなくなりました。
出典:高井経営労務事務所
(4)派遣労働者等の福祉の増進のための措置(法第30条の4)
派遣労働者の各人の希望、能力及び経験に応じた就業の機会及び教育訓練の機会の確保、労働条件の向上その他雇用の安定を図るための必要な措置を講じるように配慮する。
出典:大阪・派遣許可対策室
(5)適正な派遣就業の確保のための措置(法第31条)
法律の規定に違反することがないように適正に行われるように必要な措置を講じるように配慮する。
出典:法庫
(6)待遇に関する事項等の説明(法第31条の2)
出典:東京都労働相談情報センター
(7)派遣労働者であることの明示等(法第32条
モデル労働条件通知書
(8) 派遣労働者に係る雇用制限の禁止(法第33条)
出典:ふくなが社労士事務所
(9) 就業条件の明示(法第34条)
出典:山口労働局
(10)労働者派遣に関する料金の額の明示(第34条の2)
出典:厚生労働省
(11) 派遣先への通知(法第35条)
出典:厚生労働省
(12) 派遣可能期間の適切な運用(法第35条の3)
出典:久松事務所
(13)日雇労働者についての労働者派遣の原則禁止(法第35条の4)
出典:厚生労働省
(14) 離職した労働者についての労働者派遣の禁止(法第35条の5)
出典:厚生労働省
(15)派遣元責任者の選任(法第36条)
出典:藤澤労務行政事務所
(15)派遣元責任者の選任(法第36条)
出典:藤澤労務行政事務所
(16)派遣元管理台帳の作成、記載及び保存(法第37条)
派遣元管理台帳に記載する事項に、以下の項目等が追加されます。
①無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別
②雇用安定措置として講じた内容
③段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時および内容
出典:藤澤労務行政事務所
※労働者派遣事業に関する関係書類のモデル例
出典:石川労働局
関連コンテンツ
新着情報

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード

- 解説動画
奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分

- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...

- セミナー
松尾 剛行 弁護士(桃尾・松尾・難波法律事務所/第一東京弁護士会)
- 【オンライン】2040年の企業法務への招待。〜松尾剛行先生に聞く、AI による法務業務の効率化とその限界〜
- 終了
- 2025/03/06
- 12:00~13:00
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- ニュース
- コロナ社にカヤバ社、下請業社への金型無償保管で公取委が勧告/23年以降15件目2025.4.28
- NEW
- 金型保管をめぐる下請法違反の事例が相次いでいます。 暖房機器などの製造・販売を行う「株式...
- 弁護士
- 松田 康隆弁護士
- ロジットパートナーズ法律会計事務所
- 〒141-0031
東京都品川区西五反田1-26-2五反田サンハイツビル2階

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード