【法務NAVIまとめ】中小企業における顧問弁護士の探し方
2016/08/19 弁護士対応, 民法・商法, その他

はじめに
中小企業における法務・コンプライアンスに係る問題は大きいにもかかわらず、法的素養を備えた人材が必ずしも会社内にいる訳ではないため、弁護士による法的支援が重要となる。
2016年7月20日に東京弁護士会が中小企業支援を目的としたアプリ<ポケ弁>(ポケット弁護士)をリリースした。そこで、企業は弁護士からどのような支援を受ける方法があるのかをまとめた。
1 企業と弁護士との関わり方
大企業では弁護士との間に顧問契約を締結する場合が多い。一方で、中小企業では弁護士との間に顧問契約を締結しない場合が多いのが現状である。
この理由は、そもそも弁護士を必要とする仕事がない・弁護士を利用する社内体制が整っていない・報酬が高い・費用対効果が計測しづらい等が挙げられる。
しかし、弁護士と顧問契約を締結していない企業では、客観的には法的課題であっても、法的課題であると認識していないケースが多くある。そのため、企業に法的リスクが生じる場合が出てきている。
参照
・中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書(PDF)
・弁護士サポートJP-中小企業と弁護士の関わり方の現状-
2 弁護士と顧問契約を締結せずに、法的課題に取り組む方法
弁護士と顧問契約を締結せずに、法的課題に取り組む場合には、第一次的には会社内の人材による解決、二次的には弁護士との間にスポット契約を締結することが考えられる。
(1) 会社内の人材活用
会社内の人材による解決を図る場合には、法的素養を備えた人材の確保・育成が必要となる。そこで、法的素養を獲得するために企業法務ナビやポケ弁(ポケット弁護士)の利用が考えられる。
ポケ弁(ポケット弁護士)とは東京弁護士会が中小企業支援を目的とした無料アプリのことである。このアプリは、2016年7月20日にリリースされた。
その特長は、最新の法律や判例に関するニュース、陥りがちなトラブルの予防法、トラブルの解決事例を記事として配信し、弁護士が執筆を行う点にある。
そして、ポケ弁から相談窓口(相談内容にふさわしい精通弁護士を紹介するコンシェルジュ弁護士とつながる中小企業法律支援センター専用電話)へ簡単にダイヤルでき、法的問題が生じた際に迅速に対応を行うことができる。
弁護士との間にスポット契約を締結する場合には、弁護士を探さなければならず、時間と費用が掛かることから、弁護士を探す方法が重要となってくる。
参照
・中小企業向け無料アプリ『ポケ弁』をリリースしました
・東京弁護士会
・中小企業法律支援センター
3 弁護士と顧問契約を締結して、法的課題に取り組む方法
企業が弁護士を探す場合には、弁護士ドットコムなどのマッチングサイトの利用や知り合いに依頼をすることが考えられるが、弁護士探しに時間と費用が掛かる上に、適切な弁護士選択ができるのかが問題となる。そこで、弁護士を探す方法が重要となる。
参照
・弁護士ドットコム
・弁護士サポートJP-中小企業と弁護士の関わり方の現状-
4 弁護士を探す方法
前述したように、法的問題について弁護士を探す方法が重要となるため、以下では、企業と弁護士とのマッチングを図る制度を紹介する。
(1) 中小企業法律支援センター
中小企業法律支援センターとは東京弁護士会が運営する、中小企業を法的にサポートするための組織である。中小企業法律支援センターは2014年2月に設立された。
その業務内容は、中小企業が抱える問題についてヒアリングを行い、各会社が置かれている状況を理解した上で、サポートを必要としている分野に精通した弁護士を紹介することにある。
中小企業法律支援センターを利用することで、コンシェルジュ弁護士が選択した、適切な弁護士を探すことができる。
参照
・中小企業法律支援センター
・中小企業法律支援センターのパンフレット(PDF)
(2) 経営革新等支援機関認定制度
経営革新等支援機関認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものをいう。
経営革新等支援機関に認定された弁護士を利用することにより、企業に係る法的問題に精通した弁護士を探すことができる。
参照
・経営革新等支援機関認定制度
(3) ひまわりほっとダイヤル
ひまわりほっとダイヤルとは、全国共通電話番号(0570‐001‐240)に電話をすると地域の弁護士会の専用窓口につながり弁護士からの折り返しの電話で弁護士との面談の予約を取ることができる。また、HPから申込フォームを使って申込むことができる。
弁護士との接点が少ない企業にとって、弁護士と繋がる良い機会となり、弁護士を探すことができる。
参照
・ひまわりほっとダイヤル
(4) 弁護士紹介センター
弁護士紹介センターとは企業の求めに応じて、特定の分野・部門に経験のある弁護士を紹介する機関である。
その業務内容は、特定部門の弁護士紹介、顧問弁護士の紹介、他団体への法律相談員・講師の推薦・紹介である。
弁護士紹介センターを利用することで、自社が抱える問題に対して適切な弁護士を探すことができる。
参照
・弁護士紹介センター
5 企業と弁護士との関係の今後
企業において全体的に人材不足感が強まっているため、法務人材不足も生じていると推察される。このことから、外部の第三者として弁護士が企業の経営・法務に関与していく事例が今後増加すると考えられる。
参照
・2016年版中小企業白書概要(PDF)
・経営革新等支援機関認定制度
・中小企業法律支援センター
・ひまわりほっとダイヤル
・弁護士紹介センター
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