【法務NAVIまとめ】職場におけるセクシュアルハラスメント
2016/07/07 労務法務, 労働法全般, その他

はじめに
職場におけるセクシャルハラスメント事案は絶えず発生しており、マスメディアで取り上げられることも多い。
そこで、今回は、セクシャルハラスメントの定義、企業がとるべき事前の対策、事後の対応について取り上げる。
1.職場におけるセクシュアルハラスメントとは
(1)2つの類型
①対価型セクシュアルハラスメント
職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること
ex.性的な関係を要求したが、拒否されたため、労働者を解雇する
②環境型セクシュアルハラスメント
性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること
ex.抱きつく、嫌らしい冗談を言う、事務所内にヌードポスターを掲示する
企業における人権研修シリーズ セクシュアル・ハラスメント-法務省
セクハラの具体例(目次2つ目の▼以下)
事例集/セクハラ110番
(2)職場とは
「職場」とは、労働者が業務を遂行する場所のことを指す。
※当該労働者が通常就業している場所以外の場所(取引先の事務所、打合せのための飲食店、顧客の自宅、取材先、出張先、業務で使用する車中等)であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば、「職場」に含まれる。
※勤務時間外の宴会であっても実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に当たる。
2.セクシュアルハラスメントの加害者と被害者
(1)加害者
事業主、上司、同僚、部下、顧客、派遣先の社員、取引先の社員など
(2)被害者
正社員、パートタイム労働者、契約社員など、事業主が雇用するすべての労働者
3.職場のセクシュアルハラスメント対策
男女雇用機会均等法及びそれに基づく指針により、職場における男女双方に対するセクシュアルハラスメント対策として次の措置を講ずることが事業主に義務付けられている。
(1)事業主の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に対してその方針を周知・啓発すること
(2)相談、苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備すること
ハラスメント相談窓口
職場におけるハラスメント 防止・対応方法(8/19頁以下)
(3)相談があった場合、事実関係を迅速かつ正確に確認し、適正に対処すること
職場におけるハラスメント 防止・対応方法(11/19頁以下)
(4)相談者や行為者等のプライバシーを保護し、相談したことや事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること
モデル就業規則・規程
職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!
4.セクシュアルハラスメント発生時の企業の対応
(1)相談窓口の設置(労務担当者)
(2)苦情処理体制の構築(総務・人事担当者、苦情処理委員会等)
(3)事実関係の確認
→相談者からのヒアリング、行為者からのヒアリング、同僚など第三者からのヒアリング
(4)事実確認後の対応
①事実の確認ができた場合
・雇用管理上の措置
・相談者への説明
・就業規則に基づく加害者への制裁処分
・職場環境の見直しと再発防止の徹底
・損害賠償の検討
②事実の確認ができない場合
・職場環境の見直し
・防止策の徹底
・相談者への説明
・当事者間の関係改善の援助等
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