夏の節電対策にちょっと注意!
2011/08/03 独禁法対応, 独占禁止法, その他

より一層求められる節電対策
震災の影響が残る中、暑い日が続き、企業等にはより一層の節電対策が求められる。節電対策をすること自体は独占禁止法上問題とならないが、そこに強制があったり、差別的なものがあったりすると、独占禁止法上の問題を生じる。まだまだ暑い日が続く中で、業界団体内における節電対策についての公正取引委員会の考え方をもう一度確認しておくことは有益だろう。
公正取引委員会の考え方
公正取引委員会も、この夏の節電対策の必要性を十分認識している。以下のようなものについては、基本的に独占禁止法上問題とならない。
① 業界団体が政府から示された削減目標を達成するよう、会員企業に要請すること。
② 業界団体が、いずれも昼間に操業していた会員企業をいくつかのグループに分けて、各グループの操業時間帯をずらして、ピークカットを行うこと。
③ 業界団体が、業界全体として平日の操業時間帯における削減目標を達成できるよう、各社の休業日の日程調整を行うこと。
④ 顧客利便のために、各社の休業日・営業時間の変更について業界団体のウェブサイトで公表するなど、業界内での各社の取組内容について収集した情報を業界団体が公表すること。
しかし、上記取組みに関し、参加や遵守を強制したり、また、差別的なものであったりする場合は、独占禁止法上問題となる。また、電力のピークカットに便乗して、業界団体や複数の事業者が価格や供給量等について制限するような場合は、独占禁止法上問題となる。
強制にわたらない取り組みが求められる
各企業において、この夏の節電対策の重要性は十分認識されているだろう。しかし、会社経営上、必要な電力は使用しなければならず、どの程度の節電対策をするかについては難しい判断を迫られる。公正取引委員会は、節電対策にも強制や差別的扱いがあってはならず、価格や供給量といった競争の基本要素についての制限は、やはり独占禁止法上問題があると考えている。独占禁止法に抵触しない範囲内で、各業界団体においては、強制にわたらない節電対策が求められている。
関連リンク
- 業界団体内における夏季節電対策に係る独占禁止法上の考え方(PDF)(リンク切れ)→アーカイブ(PDFファイル)
関連コンテンツ
新着情報
- まとめ
- 今年秋施行予定、改正景品表示法の概要2024.4.25
- 昨年5月に成立した改正景表法が今年秋に施行される見通しです。確約手続きの導入や罰則規定の拡大...
- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- セミナー
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 登島さんとぶっちゃけトーク!法務懇談会 ~第16回~
- 終了
- 2025/06/04
- 19:00~21:00
- 業務効率化
- 法務の業務効率化
- ニュース
- AI検索による記事無断利用は優越的地位の濫用か?公取委が調査2025.12.25
- NEW
- 生成AIを使った検索サービスにおいて、「報道機関のニュース記事を無断で回答に引用することが競争...
- 弁護士

- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 弁護士

- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階










