消費税増税にともなう便乗値上げ相談、初日は48件 消費者庁窓口
2014/07/09 税務法務, 租税法, 税法, その他

事案の概要
消費者庁は、2014年4月1日に、便乗値上げ相談窓口に対して48件もの便乗値上げに関する相談があったと発表した。41件は消費者から、5件は事業者からだったという。
同庁は具体的な事例を2つ明らかにした。
①コーヒースタンドのコーヒーが内税200円から220円になったのは「値上がりしすぎではないか」というもの。これに対して消費者庁は、「本体価格の値上げは、合理的な理由があれば一概に便乗とはいえない」との見解を伝え、値上げ理由を業者に聞いてみるよう助言したという。
②スーパーの価格表示が税込み価格から税抜き価格になったのは便乗値上げではないかというもの。仮に税率引き上げ前の税込み価格と引き上げ後の税抜き価格が同じ場合、本体価格は約5%分相当の値上げになる。これに対しても消費者庁は、値上げ理由を尋ねるよう助言しているという。
相談窓口は昨年10月に設置され、3月31日までに1921件の相談・情報があった。便乗値上げの疑いが濃い情報は寄せられていないとしている。情報は農林水産省や経済産業省など関係官庁に伝えている。
コメント
消費者庁が問題のある便乗値上げだと判断した場合、調査・指導をすることになる。もっとも、便乗値上げの法的定義はなく、過去に便乗値上げをしたケースもない。
企業が商品をいくらに設定するかは、企業の自由な判断に委ねられるのが原則である。消費税増税に伴い一部の商品を値上げをしたとしても、便乗値上げを直接規制する法律がない以上、取り締まりをすることは難しい。
もっとも、消費税特措法には、いくつかの禁止事項が定められており、違反した場合には国の指導・勧告のほか、公表がなされる。企業法務においては、この法律に抵触しないよう注意が必要である。
また、2015年10月には消費税が10%に引き上げられる可能性もあり、実現すれば消費者に同様の混乱が生じるおそれがある。企業側は、消費者の相談を真摯に受け止め、同様の混乱が生じないよう、安心した価格を設定することが求められる。
関連コンテンツ
新着情報

- ニュース
- 会社に対する「就労証明書」の作成強要未遂に無罪判決 ー大阪高裁2025.4.28
- 会社に就労証明書の作成を求めたことで、強要未遂の罪に問われた労働組合員に対する差し戻し審で大...
- 弁護士
- 片山 優弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間

- セミナー
内田 博基 氏(三菱UFJ信託銀行株式会社 執行役員 法務部長 ニューヨーク州弁護士)
藤原 総一郎 氏(長島・大野・常松法律事務所 マネージング・パートナー)
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【3/19まで配信中】CORE 8 による法務部門の革新:三菱UFJ信託銀行に学ぶ 企業内弁護士の力を最大限に活かす組織作りの秘訣
- 終了
- 2025/03/19
- 23:59~23:59

- 業務効率化
- Mercator® by Citco公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号

- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- 法務の業務効率化