遂にカジノが合法に!?
2013/08/20 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
今年6月7日、日本維新の会が衆議院にIR(Integrated Resort:統合リゾート)推進法案を提出した。本法案は、通称カジノ法案と呼ばれる。そして、今年10月にも安倍首相を最高顧問とする国際観光産業振興議員連盟が、カジノ法案を国会に提出予定であり、カジノ合法化にむけた気運が高まってきている。
そもそも、日本においてカジノは賭博罪として刑法で禁じられている(刑法185条参照)。しかし、本法案は経済成長を名目に、カジノを合法化するものである。カジノ法案はこれまで何度も経済活性化案として浮上してきたが、その都度反対の声に押され、いずれも法律化には至らなかった。
本法案の特徴は、運営主体を民間事業者としている点である。日本における賭博行為は、競輪、競馬、オートレース、宝くじが特別法によって公認されている。しかし、これらはいずれも地方自治体などの公的機関が運営主体となることで、事業の公益性を担保している。民間事業者が主体となれば、行政による新規参入事業者の許認可、運営状況の監視等は厳しく行う必要がある。暴力団排除や青少年保護対策も徹底も重要となり、合法化された際の行政の対応がどのように法律に規定されるのか、注目される。
本法案が議会で可決され、成立すれば、観光客の増加は勿論のこと、雇用や税収の増加効果を期待することが出来、非常に大きな経済効果をもたらすと予測されている。さらに、収益の一部を国や地方自治体に寄付し、震災復興財源に充てられると言われている。
コメント
カジノが合法化された場合、上記のように観光客増加や税収増加、雇用促進といった経済効果が期待できる。
一方で、ギャンブル依存症やそこから生まれる多重債務者を今以上に大量に発生させ、犯罪誘発につながることが懸念されている。現在の日本におけるパチンコ依存症患者は、200万人近くいるという。カジノが合法となれば、こういったギャンブル依存症患者の更なる増加も容易に想像される。また、震災復興財源をギャンブルで捻出するという方策は、不健全であると思われる。法律化にあたっては国民との議論を機軸に、慎重に検討を重ねてほしい。
2020年の夏季オリンピック開催都市が、今年9月に決定する予定であり、東京がかなり有力視されている。もし、東京オリンピック開催が決定すれば、外資獲得を目的として、本法案成立にむけての動きはますます加速するであろう。オリンピック開催地のニュースとともに、本法案の今後の動向にも注目したい。
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士

- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階
- 解説動画
斎藤 誠(三井住友信託銀行株式会社 ガバナンスコンサルティング部 部長(法務管掌))
斉藤 航(株式会社ブイキューブ バーチャル株主総会プロダクトマーケティングマネージャー)
- 【オンライン】電子提供制度下の株主総会振返りとバーチャル株主総会の挑戦 ~インタラクティブなバーチャル株主総会とは~
- 終了
- 視聴時間1時間8分
- ニュース
- 東京地裁が「ちゃん付け」で認定、セクハラについて2025.10.27
- 名前を「ちゃん付け」で呼ばれるなどして精神的苦痛を受けたとして、佐川急便に勤めていた女性が元同...
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード
- セミナー
熊谷 直弥 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】2025年春・Web3/暗号資産の法令改正動向まとめ
- 終了
- 2025/04/23
- 12:00~13:00
- 弁護士

- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階
- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...













