フーズ社ユッケ食中毒問題 遺族・被害者説明会開催 被害者の会設立へ
2012/02/20 業法対応, 食品衛生法, その他
概要
今月18日に、フーズ社は福井市で遺族や被害者向け説明会を初めて開催し、19日は金沢市、射水市で開催した。フーズ社の元社長は18、19日両日とも現れなかった。説明会は、フーズ社代理人弁護士による専門的な話が中心で、具体的な賠償額の明示もなかった。代理人弁護士は、フーズ社にユッケ用生肉を納入していた食肉卸会社「大和屋商店」(東京都板橋区)を相手に損害賠償を求める訴訟を起こす方針を明らかにし、説明会では被害者にも訴訟参加を呼び掛けたという。
各説明会には福井市で5人、金沢市で2人、射水市で60人の被害者らが出席した。設立の方針が発表された被害者の会は「『家族の絆』の会」の名称で、フーズ社への賠償も視野に、説明や謝罪を求めていく考えだ。
ユッケ食中毒事件
フーズ社が経営していた「焼肉酒家えびす」で昨年4月、生肉のユッケを食べた5人が死亡。食品衛生法上、ユッケやタタキなどの牛の生肉を提供する際に表面をいったん加熱することなどが義務付けられている。しかし、厚生労働省の調査によると、生肉を取り扱う飲食店や販売店の94%が守っていなかったことが1月27日に分かっている。
コメント
企業とその取引企業は、場合によっては一般消費者に対して共同不法行為責任を負うことも考えられる。代理人弁護士は説明会で被害者にも食肉卸会社への訴訟において訴訟参加をするよう呼び掛けたという。訴訟が被害者救済のために債権を確保する目的であるとしても、フーズ社自身による十分な理解しやすい説明や謝罪を行う前にそのような話を持ち出すのは責任転換と取られかねない。フーズ社は被害者の心情に配慮した真摯かつ慎重な対応をするべきだ。
また、企業の社会的責任が取り沙汰されるているが、食品衛生法を遵守していなかった飲食店らに十分浸透していなかったといえる。
社会的責任を負うのは影響力の大きい大企業だけではない。日本は中小企業が数多く、全体的に見てそれらの社会的影響力は小さくない。そのため、小さな飲食店や販売店のような個々の中小企業においても社会的責任を果たすことが求められるからだ。
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