食べログ掲載店がカカクコムを提訴
2010/09/15 IT法務, 民法・商法, IT

佐賀県佐賀市の飲食店は、「情報更新がなされず現状とは異なる情報が無断転載されており、営業妨害である」と主張し、運営会社であるカカクコム(東京都)に対し、食べログに掲載されている店の情報を削除するよう求める訴訟を佐賀地裁に9日までに提訴した。
今回、同店の店長と電話でお話させていただいたところ、「内装・外装の変更を行ったにもかかわらず改装後の写真に更新されず、依然として改装前の写真が掲載されている。不正確な情報を提供するのは営業妨害であり、カカクコムに対してメールで1度、内容証明郵便で3度、計4回削除要請を行った。再三の要請にもかかわらず削除されなかったので、情報の削除を求めて訴えを提起した」とのことであった。
なお、本件では問題となっていないようではあるが、インターネット上でプライバシー・著作権侵害などがあった場合、プロバイダ・webサイト管理者などに対して情報発信者の情報開示請求をすることができる(プロバイダ責任制限法)。下記にて解説する。
人格権構成と不法行為構成の差異
| 人格権侵害構成 | 不法行為構成 | |
|---|---|---|
| 根拠条文 | - | 民法709条 |
要証事実 | ①被告の故意・過失 ②権利侵害(違法性) ③損害の発生 ④因果関係 | ①権利侵害(違法性) ②損害の発生 ③因果関係 |
プロバイダ責任制限法
インターネットなどの情報流通に際して権利侵害があった場合の、プロバイダの損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示請求権を規定している。
具体的には、プロバイダが①他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があった、②情報の流通を知っていた場合であって、プロバイダによる情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき場合に限って、損害賠償責任を認めている(3条)。
また、①請求をする者の権利侵害が明らかであること、②損害賠償請求の行使のため必要である場合、その他開示を受けるべき正当な理由のある場合、プロバイダ等に情報開示を請求することができる(4条)。
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