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こんにちは。法務専門キャリアアドバイザーの潮崎です。
ここでは、普段、求職者の方からいただく面接フィードバックを踏まえ、多くの法務担当者が苦手とする面接質問への対策をご紹介します。
本日ピックアップする質問は以下です。
『現職と弊社の法務はどのような点で異なると思いますか?』
現職(離職済の方は前職)と応募先企業の業界や企業規模・法務組織の規模等が異なる場合などに、よく聞かれる質問です。
法務職の転職においては、「前職との法務の内容・スタイル等の違い」が原因となり、転職者が入社後に十分にパフォーマンスを発揮できないケースがあります。
今回の質問は、こうした不安の解消を目的としての質問になります。
現職での活躍の再現性という面で、面接官の本音としては、応募者の現職と自社の法務の内容・スタイル等がそれほど異ならないのがベストです。
もっとも、仮に相違点がある場合でも、具体的な相違点をきちんと認識し、対策を考えられる応募者であれば、活躍への期待を抱くことができます。
これらの点を確認するところに、この質問の意図があります。
それでは、このような質問に適切に回答するために、どのような準備を行えばよいのでしょうか。
正直、応募先企業の法務の内容・スタイル等については、むしろ、こちらが面接で聞き出したい事項だと思います。
それを、応募先企業から教えてもらっていない状況で、質問に答えるわけですから、下記の観点等から、ある程度の準備をし、推測して回答するしかありません。
(1)業界の違い
業界が異なれば、
・審査する契約書の類型
・法律相談で取り扱う法令
・行政官庁からの規制の強さ(コンプライアンス関連業務の重み)
・紛争の多さ(臨床法務業務の多さ)
・新規事業の起こしやすさ(非定型の判断業務の多さ)
・国際取引の多さ(国際法務業務の多さ)
・M&Aの多さ
などが変わってきます。
また、売る商材により、営業部門にかかる負荷も異なるため、営業部門のプレゼンスの強さ=発言力の強さも変わってきます。
応募先企業が展開する事業内容から、あらかじめ、上記の点を予想する必要があります。
(2)企業規模・法務組織規模等の違い
企業規模や法務組織規模により、
・社内の法務業務総量
・会社法関連の法務業務量
・業務の割り振り(担当する業務の幅)
などが異なるところがあります。
また、一概には言えないものの、一般的に、創業年数が長い企業は短い企業よりも、過去の知見が法務組織内に蓄積され、マニュアル化・定型化された業務が多い傾向があります。
応募先企業と自社との規模感・創業年数等の違いから、こうした点を推測することが可能です。
上述のように、この種の質問は、「相違点の分析」と「相違点への対応策の提示」をセットで回答するのが定石です。
そして、対応策の提示のシーンでは、過去のメルマガでもご紹介しました、『ご経験と求人の業務内容がミスマッチでは?』と問われた際の切り返しと同じ方向性で考えて行くことになります。
すなわち、「経験 > 座学」という優先順位で、
・応募先企業の法務と親和性の高い業務を行った経験
・同種の環境(業界・企業規模等)で仕事を進めた経験
・座学やセミナー受講等を通じて学んだ体験
などを披露するという形です。
自社の法務と応募先企業の法務の違いを問われるこの種の質問は、
(1)法務の視点からの企業研究・企業分析
(2)ご自身の業務経験・学習体験の棚卸
の両方が事前に求められる、難易度の高い質問だと思います。
ぜひ、本メルマガをご参考に、良い準備をしてこの質問を乗り越えてください!
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株式会社パソナ 法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザー 潮崎明憲 大阪市立大学法学部卒、近畿大学法科大学院修了。法務・総務担当として入社した営業研修会社の事業を4年にわたって支えた後、2014年より、米国訴訟における日本企業支援(eディスカバリー)業務に従事。2016年からは、法務専門エージェンシー、株式会社More-Selectionsにてエージェントとして、1000社超の企業の法務職採用に携わる。2021年9月、同社のパソナへの吸収合併を機に、株式会社パソナにて法務・ハイクラス専門のキャリアアドバイザーを務める。 |
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