取引先が倒産したときの対応まとめ

初めに

「老人福祉・介護事業」の倒産が急増(出典 東京商工リサーチ)したとの記事がありました。取引先が倒産すると多くの対応に追われることになります。
そこで取引先が倒産した場合、取引先への債権回収のためにどのような対応をすればいいのかまとめてみました。

相手先の情報の確認

まず相手先の倒産情報を入手した場合には、相手先の実情の確認を行います。具体的には、営業継続の有無と代表者の所在です。
相手先が営業を継続しているかでその後の対応が変わってきます。倒産には再生型と清算型の2種類があり、再生型であればその企業の営業は継続しますが、清算型だと営業が終了します。清算型と再建型 (出典 朝日中央グループ)
代表者の所在を確認するのは、相手先の状況を知るには代表者に直接話を聞くことが一番相手先の状況を知ることができるからです。営業継続していない場合は逃亡していることもあります。代表者が不在だと清算がなされず放置されるおそれがありますので、債権者が破産申し立てをすることも含めて対応します。
また、倒産会社に実際に出向き、速やかに現場確認を行うことも重要です。MCCライブラリーVol.9 緊急(倒産)対応(1) (出典 三井物産クレジットコンサルティング株式会社)

債権債務の確認

取引先が倒産した場合、その取引先との契約書を基に、債権の金額や種類を確認し、未回収債権をすべて把握することが必要です。
そのうえで取引先への商品出荷予定と納品済み商品の所在・転売先の確認、取引先に対する債務の有無、担保・保証人の有無、手形の有無、他の債権者の動向確認をします。
取引先が倒産した場合、どのような情報を収集するべきか(出典 BUSINESS LAWYERS)

倒産手続きが開始された場合

取引先の情報が得られずに、突然取引先が破産手続きや民事再生手続きを開始した場合には、個別の取り立てを行うことは原則禁止されます。債権届出期間内に債権届出、担保権の付されている個別財産について権利行使、取引先と債権債務が対立している場合に相殺を行うことが必要となります。
取引先が破産手続を開始 (出典  湊総合法律事務所)
取引先が民事再生手続を開始 (出典  湊総合法律事務所)
債権届をされる方へ (出典 裁判所)

平時に取れる対応策

平時の契約から相手方が倒産した時に対応できるような契約書・契約条項を作成するという対応策があげられます。取引先が倒産した/しそうである(出典 高根法律事務所)
具体的対応としては、相殺権の確保、相殺予約の合意、担保による回収、動産売買先取特権による回収などがあるので、平時からこれらの対応が取れるようにしておきます。取引先の倒産に備えるための平時の対応 (出典 弁護士法人阿部・楢原法律事務所)
取引先の信用不安や、倒産の情報は営業の方が初めに入手することが多いと思いますので、営業と法務で連携して対応することが重要です。営業部は情報を入手したら法務部へ第一報を入れ、情報収集を行います。これを受けて法務部は前述のような確認を行います。営業と法務の連携による債権の管理・回収 (出典 弁護士法人 栄光) 

最後に

取引先への債権回収をできるかぎり図るため、平時から対応策をとっておくこと、倒産の情報を入手した場合には営業と法務で連携して情報収集、情報分析をして対応をする必要があります。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約1年3ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
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[著者情報] ntakahashi

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大阪府大阪市北区
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○略歴
平成14年 司法試験合格
平成15年 京都大学法学部卒業
平成16年 弁護士登録(大阪弁護士会)
天野法律事務所入所司法修習57期
平成21年 ボストン大学ロースクール留学(LLM)
平成22年 帰国・外資系製薬会社法務部にて勤務
(人事・知財・製造部門担当法務)
平成23年 ニューヨーク州弁護士登録
平成23年 法律事務所に復帰
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略歴:
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2006年 川上・原法律事務所移籍独立(愛知県弁護士会に登録換え)
2017年 オリンピア法律事務所 パートナー

使用者側の労務問題を中心に扱っており、労働組合との団体交渉、休職復職を巡る問題、解雇などに伴う労働裁判などを多数扱っている。

■和田 圭介
略歴:
愛知県春日井市出身
京都大学法学部・アメリカDuke大学LLM卒業。
2017年 オリンピア法律事務所 パートナー

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弁護士・公認会計士 伊勢田 篤史
法務と財務の両面から、企業経営に関するコンサルティングを行っている。

■略歴
平成14年 海城高等学校卒業
平成16年 公認会計士試験(旧第2次試験)合格
平成18年 慶應義塾大学経済学部卒業
平成22年 あずさ監査法人退所
平成25年 中央大学法科大学院修了
平成26年 弁護士登録(東京弁護士会)
平成27年 中央大学法科大学院実務講師就任
平成30年 弁護士法人L&Aにパートナー弁護士として参画

■著書等
・「契約審査のベストプラクティス ビジネス・リスクに備える契約類型別の勘所」共著(レクシスネクシス・ジャパン)
・「応用自在!覚書・合意書作成のテクニック」共著(日本法令)
・「ストーリーでわかる営業損害算定の実務 新人弁護士、会計数値に挑む」共著(日本加除出版株式会社)


メディア出演
・あさイチ(NHK)
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1992年 京都大学法学部卒業
1994年 大阪弁護士会 登録 梅ケ枝中央法律事務所 
2000年 ハーバードロースクール 修士課程(LL.M)卒業
Masuda Funai Eifert & Mitchell 法律事務所(シカゴ)
2002年 第一東京弁護士会 登録替 長島大野常松法律事務所
2004年 外立総合法律事務所
2012年 株式会社カービュー コーポレートリーガルアドバイザー    
2016年 法務室長
2018年 AYM法律事務所開設

弁護士会活動(2018年2月現在)
日本弁護士連合会 ひまわりキャリアサポート 委員
第一東京弁護士会 業務改革委員会 委員 

企業法務を中心とした法律事務所に長年勤務した後、2012年からインターネット系企業の法務責任者としてプラットフォームを利用したメディア・コマースビジネスについてのさまざまな法律問題をサポート。
2018年にAYM法律事務所開設 代表弁護士

主な著書
「アメリカのP&A取引と連邦預金保険公社の保護 債権管理 No.96」金融財政事情研究会
「米国インターネット法 最新の判例と法律に見る論点」ジェトロ 共著
「Q&A 災害をめぐる法律と税務」新日本法規 共著
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