まもなく施行、改正パートタイム労働法について

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はじめに

 働き方改革関連法の一つである改正パートタイム労働法が今年4月1日から施行されます。「パートタイム・有期雇用労働法」と名称を変え、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差が禁止されることとなります。今回は改正パートタイム労働法の規制を概観していきます。

パートタイム・有期雇用労働法のポイント

 今年4月1日から施行される改正パートタイム労働法の改正のポイントは①不合理な待遇差の禁止、②労働者に対する待遇に関する説明義務、③行政による事業者への助言・指導や行政ADRの整備とされております。正社員、非正規社員との間での不合理な待遇差を設けることが禁止され、待遇差がある場合には非正規社員は説明を求めることができます。また労働局で無料・非公開の紛争解決手続きを受けることができます。なお資本金の額が3億円(小売業、サービス業は5千万円、卸売業は1億円)以下で常時使用する労働者数が300人以下の中小企業は来年2021年4月1日からの施行となります。以下具体的に見ていきます。

改正点の概要

(1)不合理な待遇差の禁止
 改正パートタイム労働法では、職務内容、職務内容と配置の変更の範囲、その他の事情について不合理な待遇差を禁止する、いわゆる均等待遇規定がパート、有期労働者についてより明確化されます(8条)。そして同一職務内容、同一の職務内容と配置変更の範囲の場合での差別的取り扱いを禁止する、いわゆる均等待遇規定もこれまで規定がなかった有期労働者にも適用されることとなります(9条)。個々の待遇ごとにその性質や目的に照らして適切かつ合理的に考慮すべきとされ、非正規、有期であることのみを理由とすることが禁止されます。

(2)待遇に関する説明義務
 雇用管理上の措置の内容や待遇決定に際しての考慮事項について、パートタイム労働者、有期雇用労働者から求められた場合にはその説明をすることが義務付けられます(14条1項、2項)。またこのような説明を求めた労働者に対する不利益取り扱いも禁止されることとなります(同3項)。

(3)行政による助言やADRの整備
 労働者と事業者の間で待遇差について紛争が生じた場合の行政による助言・指導に関する規定が、これまで規定のなかった有期労働者にも規定が置かれます(18条)。また行政による裁判外紛争解決手続(行政ADR)の対象が均等待遇や待遇差に関する説明についてもその対象となり、有期労働者にも適用されることとなります(24条~26条)。

時間外労働規制

 昨年2019年4月1日から施行されました時間外労働の上限規定について、今年4月1日から中小企業にも適用されることとなります。これまで月45時間、年360時間を超える時間外労働については行政指導の対象となるのみで法律上の上限はありませんでした。改正労働基準法では年720時間、複数月の平均で80時間、月100時間未満という法定の上限が設けられております(36条4項~6項)。またこれに違反した場合には罰則として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることとなります(119条1項)。

コメント

 以上のように4月1日から改正パートタイム労働法が施行され、これまでも一定の範囲で求められていた不合理な待遇差の禁止や同一労働同一賃金の原則がより明確化され徹底されることとなります。総務省の統計によりますとパートタイムや有期労働者などの非正規労働者は全労働人口の4割を占めると言われており、今後もその割合は増加していくことが予想されます。正規と非正規での待遇差をなくすことは労働者の労働に対するインセンティブを上げ、労働生産性の向上や優秀な人材を確保しやすくなると言われております。一方で当然のことながらこれまで非正規を雇用する最大の目的であった人件費の抑制が困難となると言えます。特に中小企業への負担は増加すると考えられます。しかし近年待遇差をめぐる訴訟では多くの事例で企業側が敗訴しております。以上を踏まえ今一度自社の雇用態様を見直しておくことが重要と言えるでしょう。

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[著者情報] mhayashi

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主にベンチャー・スタートアップ支援、M&A、国際取引、一般企業法務を取り扱う。

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