債権回収業者の一覧公表、サービサーとは

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はじめに

法務省は15日、現在営業を許可されている債権管理回収業者の一覧をHP上で公開しました。特別な許可のもとに法律上営業が許される債権管理回収業。どのような企業が許可を受けることができるのか、どのような債権を扱うことができるのか、債権管理回収業の概要について見ていきたいと思います。

債権管理回収業とは

本来、第三者の債権を譲受けたり管理することは弁護士法によって弁護士のみに認められておりました。しかし平成11年2月1日に「債権管理回収業に関する特別措置法」(以下「サービサー法」と言います。)が施行され、法務大臣の許可をうけることによって特別に債権管理回収業を営むことが可能となりました。このような業者を債権管理回収業者(サービサー)と言います。不良債権の処理を促進するために弁護士法の特例として一定の要件を満たす民間業者に解禁し、同時に暴力団等の反社会的勢力の介入を防止し、債権回収業の適正を確保することを目的としています。

債権管理回収業の許可要件

債権管理回収業を営もうとする場合は①商号②本店、営業所の名称及び所在地③取締役、監査役の氏名及び住所④役員が弁護士である場合はその旨と弁護士会の名称⑤資本金の額等を記載した申請書を法務大臣に提出し許可を受けなければなりません(4条)。そして許可がなされるためには以下の要件を満たす必要があります。

(1)まず資本金の額が5億円以上の株式会社であること(5条1号)。
(2)常務に従事する取締役のうちに弁護士が含まれること(同4号)。この弁護士については職務を公正かつ的確に遂行することができる知識、経験を有するものであるか日本弁護士連合会の意見を聞くか推薦をうけることとなっております(6条2項)。
(3)暴力団の関与が無いこと(5条5号、6号、7号へ等)。まず暴力団員または暴力団員でなくなってから5年を経過しない者が事業活動を支配する会社でないことが挙げられます。そして役員のなかにこれらの暴力団関係者が居ないことも必要です。法務大臣は暴力団関係者であるか否かを警察庁長官の意見を聴き確認することなっております(6条1項)。
(4)その他、以前に債権回収業の許可が取り消され、または弁護士法違反による処罰を受けた場合には5年の経過が必要です。

特定金銭債権とは

債権管理回収業者として許可を得たら債権を買い取って独自に債権回収等を行うことができるようになりますが、どのような債権でも回収できるわけではありません。サービサー法によって規定された債権に限り回収することができるようになります。このような債権を特定金銭債権と言います。特定金銭債権は2条1項に細かく列挙されております。以下主だったものを挙げていきます。
(1)まず金融機関や農林中金、政府関係金融機関等が有する貸付債権(同1号イ~ヌ)。
(2)上の上げた金融機関等が有する債権の担保として供された債権(3号)。
(3)使用期間が1年を超える機械類等を使用させる契約、いわゆるリース契約に基いて生じる債権(4号)。
(4)証票等を利用する割賦購入契約に基いて生じる債権(6号)。
(5)資産の流動化に関する法律に規定する特定資産としての債権(8号)。
(6)破産手続開始決定等を受けた者が有する債権(16号)。個人債権は基本的に特定金銭債権に入りませんが、破産手続開始後は特定金銭債権に該当することがあります。
(7)保証契約に基づく債権(21号)

コメント

サービサー法はバブル崩壊後の金融機関等が保有する膨大な不良債権の迅速な処理の必要性から生まれました。それまでは債権回収は債権者が独自に行うか、弁護士に依頼するしかありませんでした。現在では弁護士以外にも法務大臣による認定をうけた司法書士も一定額(140万円以下)の債権回収はできるようになりましたが、それ以外の民間業社が行うことは原則違法となります。そこで、上記のようにサービサー法に基いて許可を得れば民間業者でも債権回収を行うことが出来ます。自前では到底処理しきれない膨大な債権回収をサービサーに売却することによって回収に係るコストを削減することが期待できます。またサービサー法では監督官庁である法務省を始め警察庁による意見陳述や立入検査、援助等が規定されており、暴力団による介入を徹底して排除する体制が構築されております。これにより法に基いた公正でクリーンな債権回収業の遂行が担保されております。一方でサービサーに許される債権回収は上記のとおり厳格に特定金銭債権に限られております。これ以外の債権回収を行った場合は違法となります。これからサービサーとして参入を予定している場合にはどのような債権が対称となるのかを正確に判断していくことが重要と言えるのではないでしょうか。

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本記事は、約3年6ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
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[著者情報] mhayashi

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