「ネット規制法案」(コンピュータ監視法案)の正体、ご存知ですか?

PC

概要

いわゆる「ネット規制法案」なるものが閣議決定されたと、話題になっている。この法案は、正確には「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」というものであり、刑事訴訟法197条等に新たな条文を加えるというもの。施行日等は未定。
追加予定条文から抜粋

検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者等に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。

問題点

今回の改正のポイントは、令状なしに、プロバイダ等にデータの記録の保管を求めることができるという点だ。プロバイダ側にも、データの保存という事務的・技術的な手間がかかるため、任意提出が安易におこなわれる危険性がある。

※4月12日に掲載したニュースでは、「令状なしにプロバイダ等にデータの記録の提出を求める事ができる」という記載をしておりましたが、正しくは、「令状なしに、プロバイダ等にデータの記録の保管を求めることができる」の誤りでした。お詫びをして訂正させていただきます。

総評

地震のどさくさにまぎれて決定されたと思われている本法案だが、地震以前から議論されていた。
おそらく、尖閣関係の情報流出がきっかけの一つにあるのではないだろうか。
デマや悪質な書き込みが氾濫する現在、ネット犯罪抑制のための措置は必要であると思うが、やりすぎればそれは表現の自由の侵害となる。
今後の法律の運用に注目したい。

【関連リンク】
法務省:情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案要綱

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約8年3ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] ogawat

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弁護士(東京弁護士会)/株式会社レトリバ非常勤監査役

東京大学法学部卒
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著書に「景品表示法の理論と実務」(中央経済社)、執筆記事に「基本用語と講習例でわかる!LGBT基礎知識」(月刊ビジネス法務・2017年3月号)等がある。
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■登島 和弘
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中央大学法学部法律学科卒
立命館大学法務研究科修了
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吉川 達夫
ニューヨーク州弁護士/外資系企業 VP, General Counsel

外資系法務本部長、駒澤大学法科大学院、国士舘大学21世紀アジア学部非常勤講師
元Apple Japan法務本部長、元伊藤忠商事法務部、元Temple Law School日本校客員教授。上智大学法学部、Georgetown Univ. Law Center卒

編著:『ライセンス契約のすべて 実務応用編』(編著、第一法規、2018年)、『ライセンス契約のすべて 基礎編』(編著、第一法規、2018年)、『ダウンロードできる 英文契約書の作成実務』(編著、中央経済社、2018年)など、著作・論文多数

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レクシスネクシス・ジャパン株式会社/ビジネスロー・ジャーナル
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