アマゾン、被災地で新たな雇用創出へ
2011/09/27 労務法務, 労働法全般, その他
概要
インターネット通販の大手、アマゾンジャパンは、仙台市内に年内にも顧客からの電話やメールによる問い合わせに対応するコールセンターを1000人規模で開設する。このような雇用創出により、被災地の復興を支援することが狙いだ。
同様事例
たこ焼きの「築地銀だこ」で有名なホットランドは今月7日、年内中に本社を宮城県石巻市に移す方針を明らかにしている。同社は、今回の津波で家族を失った社員の提案をもとに、すでに石巻でトレーラーハウスを使った飲食店街を作り、現地で被災者を雇用することで支援活動を行っている。今後、群馬県桐生市にある本社や中国にあるタコの加工工場の三分の一を石巻に移すことで雇用や納税を通じて復興に貢献したいとしている。
所感
東日本大震災発生から6カ月半が過ぎようとしている。筆者も6月から8月にかけて3回、宮城県石巻市や亘理町にボランティアに行き、床下の泥かき、墓地や松林のがれき撤去などを行った。今は、大型のがれき撤去は終了し、多くの避難所が閉鎖され、被災者も仮設住宅へ入居する人が増えている。これに伴い、現地ボランティアの活動も泥かきやがれき撤去から心のケアを中心とした仮設住宅での活動や畑づくりにシフトしてきている。
一方で、特区構想や新しい津波対策を基盤にした都市計画策定のためという理由により、経済的な復興はほとんど進んでいないのが現状である。そのために現地では、雇用を創出することができず、多くの被災者が高い失業率に苦しんでいる。経済的自立なくして被災者の真の自立はありえない。アマゾンやホットランドの今回の決断は、かなり大胆なものであり、全ての企業にできるものではない。しかし、被災地への継続的支援が求められる中で、今後どのような形で被災者の経済的自立を支援できるのかを各企業は今一度再考してほしい。
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