コロナで結婚式キャンセル 解約料を巡り提訴
2021/08/30 契約法務, 民法・商法, その他

はじめに
新型コロナウィルス感染拡大により結婚式が中止となり、式場を運営する企業が費用全額に当たる約200万円のキャンセル料の支払いを求める訴えを起こしたところ、訴えられた新郎新婦が、支払い済みの20万円の返還を求めて東京地裁に反訴しました。
事案の概要
本訴被告の新郎新婦は、2020年6月を予定日とする結婚式について、都内にある式場と合意の上で申込金20万円を支払っていました。そして、式が中止となったことを受け式場側から延期費用を支払った上で延期をするか、それとも解約料を支払った上で解約するかの選択肢を提示されました。
これに対し新郎新婦側は、規約に記載された「不可抗力」に新型コロナウィルスによる中止が該当するとして、解約料を支払わずに契約を解消すると主張しました。
本訴訟は、新型コロナウィルスによる式の中止が「不可抗力」に該当するか否かで両者の主張が食い違っており、この点が争点になると思われます。
不可抗力条項とは
不可抗力条項とは、地震、津波など契約当事者の想定を超えた事象が発生し、債務の履行ができない、または債務の履行が遅延した場合に、債務者が債務不履行責任や履行遅滞責任を負わない旨などを定める条項のことをいいます。
契約書に「不可抗力」と定められるとき、通常「帰責事由がない」という意味で使われることが多いです。
本件でいうところの式を開催するという式場側の債務が、新型コロナウィルスの感染拡大により履行不可能となりこれが不可抗力によるものだと認定されれば、式場側は式を開催しないことによる責任を負わなくなります。そして、債権者側の新郎新婦も同様に自らの支払債務を履行しなくてよくなることになります。
不可抗力条項に該当する場合にあたるか
先述のとおり不可抗力条項に該当するのは、地震、津波など契約当事者の想定を超えた事象が発生した場合です。では、新型コロナウィルスにより活動できないことが不可抗力に該当するのでしょうか。
これは契約ごとに解釈が異なります。例えば、リモートワークをしている者が新型コロナウィルスの流行により仕事が全くできなくなるとはいえません。一方、人がたくさん集まり工場で製造をして納品を行うといった場合には、納期に納品できないのもやむを得ないといった評価を受けやすいことでしょう。
コメント
コロナ禍において、契約関係を見直しリスクヘッジをしなければ思わぬ損失を招来します。予め「新型コロナウィルスの影響による式の中止もこれに含まれる」等と、明確に規約に規定していれば問題はスムーズに解決していたかもしれません。
企業法務従事者としては、自社の事業に照らしてコロナ禍の影響により債務が履行できない場合等に備え、契約書の見直しや改善をするべきでしょう。
関連コンテンツ
新着情報
- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード
- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 終了
- 視聴時間53分
- セミナー
潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- 採用困難職種“企業法務” — 管理部門採用で求職者に“選ばれる”採用の工夫
- 終了
- 2026/03/10
- 13:00~14:00
- 業務効率化
- 法務の業務効率化
- 弁護士

- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階
- 解説動画
奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分
- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...
- 弁護士

- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- ニュース
- 「トリップ・トラップ」は著作物か ―最高裁判決にみる量産品と著作権の判断基準2026.4.27
- NEW
- ノルウェーの家具メーカー「ストッケ」社製の子ども用椅子「トリップ・トラップ」が著作物に当たるか...











