「喜多方ラーメン」の商標登録認めず
2010/11/16 商標関連, 商標法, その他
福島県喜多方市の約40店舗のラーメン店が加入する協同組合「蔵のまち喜多方老麺(らーめん)会」が、特許庁に対し「喜多方ラーメン」の地域団体商標登録を認めるよう求めていた裁判で、2010年11月15日、知財高裁は組合側の請求を棄却し、地域団体商標登録制度を巡る初の司法判断を下した。
判決は、「登録するには、出願団体や構成者の商品・サービスを表示する商標として、広く認識されている必要がある」と一般基準を述べた上で、「長期間にわたって、同会に加盟していない喜多方市内外の多くのラーメン店が『喜多方ラーメン』の表示でサービスを提供している現状をふまえると、『喜多方ラーメン』が同会や加盟店だけの商品やサービスとして広く認識されているとは言えないので、組合の出願は要件を満たさない」、と判断した。
老麺会側は「悪意を持ってやっているわけではなく、知名度アップや観光客を増やそうと申請した」とコメントしており、今回の判断が全国ニュースになったことで知名度アップという目的はとりあえず達成されたのではないだろうか。
地域団体商標登録制度は、地域の名称及び商品(役務)の名称等からなる商標について、一定の範囲で周知となった場合には、事業協同組合等の団体による地域団体商標の登録を認めるもので、2006年4月に地域ブランド保護の目的で創設され、2010年5月末現在で443件が登録されている。
ちなみに、麺類では、「幌加内そば」(北海道)、「伊勢うどん」(三重)、「和歌山ラーメン」(和歌山)、「五島うどん」(長崎県)、「五島手延べうどん」(長崎県)、「沖縄そば」(沖縄)の6件が登録されている。
※喜多方ラーメン:日本三大ラーメンの一つに数えられることもあるが、味の基準や麺の種類については特に決められたものはなく、その定義ははっきりしない。
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 中島 星弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 解説動画
- 斎藤 誠(三井住友信託銀行株式会社 ガバナンスコンサルティング部 部長(法務管掌))
- 斉藤 航(株式会社ブイキューブ バーチャル株主総会プロダクトマーケティングマネージャー)
- 【オンライン】電子提供制度下の株主総会振返りとバーチャル株主総会の挑戦 ~インタラクティブなバーチャル株主総会とは~
- 視聴時間1時間8分
- セミナー
- 石井 大輔弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- 【リアル】債権の保全・回収の基礎 -法務担当者向け 法務基礎シリーズ-
- NEW
- 2024/05/23
- 15:30~17:00
- 弁護士
- 前田 敏洋弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 業務効率化
- Araxis Merge 資料請求ページ
- まとめ
- 会社の資金調達方法とその手続き まとめ2024.3.25
- 企業が事業活動を行う上で資金が必要となってきます。このような場合、企業はどのようにして資金調達...
- ニュース
- 米グーグル、LINEヤフーへの広告配信制限要請で公取委に改善計画を提出/確約手続とは2024.4.17
- NEW
- グーグルがヤフーに対し、デジタル広告配信事業の一部を制限するよう要請していた疑いがあるとして...
- 解説動画
- 加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間