技能実習生の失踪について
2018/08/13   労務法務, 労働法全般

1、はじめに

 法務省の在留外国人統計によると、2017年の外国人実習生の失踪者は7089人であり、前年に比べ4割増えています。実習先企業による違法残業や賃金未払いが背景にあるようですが、ブローカーによる会社紹介をきっかけに失踪する場合も少なくないようです。
 今回は、外国人実習生が失踪した後の対応を中心に法務担当者としてなすべきことをとりあげたいと思います。

2、技能実習制度とは

 技能自習制度とは、日本の企業において発展途上国の若者を研修生として受け入れ、実務を通じて技術や知識を学び、母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした公的制度です。入国した実習生は実習実施機関(受け入れ先企業)と雇用契約を結び、実践的な能力を高めるために3年間の技能実習に入ります。外国人技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する等により、技能実習制度の適正化が図られています。

3、法務担当者がなすべきこと

 実習生が失踪した場合、地方入国管理局に失踪届を提出することになります。失踪届を提出する際に管理団体がどのように対応したかを簡潔明瞭に書く必要があるため、正確な情報に基づく事実確認が要求されます。失踪者が犯罪に巻き込まれた可能性を考慮し、所轄の警察にも連絡するとよいでしょう。
 実習生は日本の労働者ど同様に企業と雇用契約を結びます。かかる契約は失踪によって当然に解消されるものではありません。そのため、「被用者が2週間(企業によっては1か月)以上欠勤したときは、退職(解雇)したものとみなす」との就労規則を定めておくことが重要といえるでしょう。この就労規則に基づき、実習生が失踪してから2週間(1か月)待ってから退職手続ないし解雇の意思表示をすることになります。
 ノーワークノーペイの原則に基づき、失踪時から契約満了までの給与を支払う必要はありません。仮に失踪者に対する未払給与が存在する場合、以下の対応をとるべきと考えます。①給与を直接渡すことになっている場合、失踪者が戻ってくることを考慮して現金をストックしておくべきでしょう。なお、失踪者の代わりに配偶者へ支払うことはできないので注意が必要です。②口座振込みによる場合、後の責任追及に備えて振り込みを行うのがよいと思われます。どうしても判断に窮する場合には供託を考慮するとよいでしょう。

関連法令:技能実習法

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