株式公開買い付けで非公開化へ
2016/12/03   戦略法務, M&A, 会社法

事案の概要

 国内最大級のゴルフ場運営会社、アコーディア・ゴルフは29日、プライベート・エクイティ(PE)ファンドのMBKパートナーズによる買収を受け入れ、株式を非公開化すると発表しました。アコーディアはMBKの下で、これまで積極的な株主還元に充てていた現預金を大規模な設備投資に振り向け、ゴルフ場やブランド価値の向上なども目指すようです。
 TOB価格は、過去3カ月間の終値平均値に約17.4%を上乗せした水準です。TOB期間は11月30日から2017年1月18日までの30営業日で、すべての株式の買い付けを目指すとのことです。買収総額は負債と株式の合計で約1490億円になるようです。完了すればアコーディア株は上場廃止になります。
 そこで今回はTOBと株式の非公開化について整理してみたいと思います。

株式公開買い付けとは

 ある株式会社の株式等の買付けを、「買付け期間・買取り株数・価格」を公告し、不特定多数の株主から株式市場外で株式等を買い集める制度のことで、TOBと呼ばれます。
 原則として、上場企業や未上場でも一定の要件を満たす企業の株を、市場を通じないで5%以上買う場合は、TOBで買い付ける必要があります。
 買い取り価格は「市場で取引されている株価」より、プレミアム価格を数割上乗せした株価で発表されます。
 これは市場よりも高い価格にすることにより、保有者は市場ではなく、TOBを宣言した相手に売却するほうが利益になるからです。これにより多くの売却が期待でき、TOB宣言者は多くの株式を取得できる可能性があります。
 また、市場と異なり株価の変動がなく一定の株価で株を取得することが可能で、買収金額の予測ができます。
 さらに、株が予定数まで達しなかった場合はTOBの取り消しが可能になります。

株式の非公開化とは

 株式の非公開化とは、既に上場し、不特定多数の株主が自由株式の売買できている状態から、会社が全ての株式を買い取って証券市場から撤退することをいいます。
 株式非公開化のメリット
株式非公開化のメリットとして主なものは株主総会を開くのが簡単で経営判断が迅速に下せること、株式上場維持にかかる費用支出が無くなる(管理部門がスリム化できる)こと、敵対的買収のリスクがほとんどないこと、などがあります。
 株式非公開化のデメリット
株式非公開化の最大のデメリットは、企業の成長に必要な資金調達の手段が減少することです。上場していれば広く市場から一般的に資金を調達することが可能です。しかし、非上場会社となれば一般投資家からの自由な資金調達は困難となります。
また、上場会社というステータス、信用力がなくなるというものが主なものとしてあります。

株式公開買い付けと株式非公開化の関係

 東京証券取引所の場合、少数特定株主持ち分比率が90%を超えないことが、上場基準のため、この基準を抵触する量を買付けすると、対象企業は上場廃止となります。
 TOBですべての株式の買い付けがされれば、1人の株主で持ち株比率が100%になるので、この「少数特定株主持ち分比率が90%を超えることになり、上場基準を満たさなくなり上場廃止となります。

コメント

株式の非公開化とは、上場を廃止するということなので本来ならばあまり良いイメージを持ちません。しかしながら近年では敵対的買収への対応や、会社の意思決定を迅速に行いたいなどの経営戦略上、上場を廃止するという選択をする企業が増えているようで、今までのイメージとは異なるようです。

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