社外取締役に関する法改正と現在の動き
2015/03/27 商事法務, 会社法, その他

社外取締役に関する昨今の企業の動き
現在、社外取締役を選任する企業が増えている。先日、上場企業に対して行われた調査では既に社外取締役を選任している企業が過半数、今年の株主総会で選任する予定の企業を含めると7割を超える。また、三井住友フィナンシャルグループが平成27年3月26日、社外取締役の割合を現在の3人から5人に増やすことを発表するなど、現在社外取締役が就任していても、社外取締役を増員する企業が増えている。
近年の社外取締役導入に関する政府等の動向
成長戦略の一環として政府が企業に社外取締役の選任を促している。これを受けて、2014年6月20日に成立した改正会社法では、社外取締役を置かない会社は、定時株主総会において社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない旨規定された。また、改正法附則第25条では、本年5月1日の施行後2年を経過した後に、社外取締役の選任状況その他の社会経済情勢の変化を勘案し、必要があると認められるときは、社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずることとされた。また、東京証券取引所は上場企業に対し、独立性の高い社外取締役を2人以上選ぶよう促す上場規則案をまとめた。こうした動きを受けて、企業は社外取締役の導入に対し、前向きに取り組んでいる。さらに、こうした流れの中、日本弁護士連合会は社外取締役ガイドラインを作成し、先日公表している。
社外取締役の意義
社外取締役を導入することは、会社またはその子会社の業務に携わったことのない者を取締役として選任し、取締役の監督機能を強化することを目的としている。社外取締役を増やすことにより、企業経営の透明性を確保し、企業統治(コーポレートガバナンス)を強化することができる。加えて、会社法上、内部統制システムを構築しておくことが義務とされているので、社外取締役は、こうした法的義務を果たすためにも重要な人材であるといえる。
社外取締役としての資質
社外取締役の経歴を見ると、現役の企業経営者や経営者のOBが目立つ。もっとも、社外取締役はリスク管理能力を有し、公平な立場から独立して発言することにより、建設的な議論を展開できる人物にもその資質があると言えるため、必ずしも経営に携わっていた者に限られる必要はない。
社外取締役を導入する最大のメリットは、その独立性にあり、客観的に社内外の状況を冷静に分析できる点にある。
そのため、社外取締役になろうとする者に関して、同人のこれまで在籍した会社と就任する会社との関係については注意する点がある。なぜなら、会社間での取引があった場合、必ずしも十分な独立性を有しているとは言えないからである。時には、議案と反対の意見を出せるといった精神的独立性を有する人物であることも社外取締役としての重要な資質となろう。
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