風営法改正案 ダンスの文言なくし店内照度で規制
2014/09/11 業法対応, 民法・商法, その他

事案の概要
現行の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)では、クラブやダンス教室など客にダンスをさせる営業が風俗営業とされている。これに関して、健全なダンス文化やダンス関連産業の発展の支障になっているとの観点から、見直しに向けた検討を行うため、警察庁の風俗行政研究会にて議論が重ねられてきた。
今月10日、同研究会は、規制対象についてダンスの有無を基準とするのではなく、店内の明るさ(照度)に応じて営業時間を決めるなどの新たな規制方針を報告書としてまとめ、警察庁に提出した。
具体的には、店内の照度や営業時間によって3つに分類することを提案した。①明るさが10ルクス(劇場や映画館の休憩時間中の明るさと同程度。映画上映中は1~2ルクス)を超え、午前0時で営業を終える場合は、一般の飲食店として風営法上の許可を不要とする。ただし午後10時以降の未成年者の立ち入りは禁止する。②店内が10ルクスより明るく午前0時以降に営業する場合は風俗営業には当たらないが、「深夜遊興飲食店」として新たな規制の方法を検討する。③店内の照度が10ルクス以下の場合は「低照度飲食店営業」として分類し、引き続き風俗営業とする。ただし、都道府県条例により柔軟に営業時間の延長ができるよう求めた。また、飲食を伴わないダンス教室は風営法の対象から外す。
警察庁は報告をふまえた風営法改正案を秋の臨時国会に提出する方針である。
コメント
今年7月に上記研究会にて実施されたヒアリングでは、関係団体や識者からは「ダンスという文言が風営法に書かれていることはダンスの普及活動の助けにはならない」「ダンス営業と言ってもいろいろな営業があり、全てが同じ条件の下で規制されているのは疑問。」などの意見が続出していた。これについては、今回「風俗営業」の対象をダンスの有無で判断しないとした方針は、一定の評価を受ける。学校でダンスが授業科目となっていることから、ダンス教室は需要の拡大が見込まれる分野であり、法改正がされた場合には企業が事業として参入するチャンスとなる。
しかし、新たに提案された店内照度による基準については、クラブによっては時間帯やイベント内容で明るさを変えており、照明の具合は簡単に調整可能である。したがって、営業許可申請を行う段階とは照度を変えて営業を行う可能性があり、規制の実効性がないのではないか懸念される。照度の測定や取り締まりの方法について更なる検討が必要とされる。
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