【セブンイレブン】見切り販売の問題性
2014/08/26 フランチャイズ, 独禁法対応, 民法・商法, 独占禁止法, その他

事実の概要
セブンイレブンによるフランチャイズ契約は違法か。7月30日コンビニ加盟店ユニオン及び連合岡山の代表者が日本外国特派員協会(東京)で会見を開き、セブンイレブン・ジャパンが加盟店オーナーに強いる契約内容の不当性を訴えた。
セブンイレブンのフランチャイズ契約の問題性の一例として「見切り販売」(消費期限の迫った食品や飲料などの値引き)についての裁判例(東京高判平成25・8・30)がある。
本件は、セブンイレブンが、そのフランチャイズ・チェーンの加盟店において見切り販売を行おうとし,又は行っている加盟者に対し、見切り販売の取りやめを余儀なくさせたとして、公正取引委員会が当該行為につき、加盟者が自らの合理的な経営判断に基づいて負担を軽減する機会を失わせている行為が独占禁止法19条に基づく不公正な取引方法(同法2条9項)に当たるとして、上記見切り販売に対する制限行為の取りやめ等を命じる排除措置命令を発した。その後セブンイレブンと加盟店基本契約を締結してコンビニエンスストアを営業している店主らが、上記見切り販売の妨害行為によって損害を被ったと主張してセブンイレブンに対し損害賠償請求をした事案である。裁判所は原告の請求を認め、セブンイレブンは上告をした。
セブンイレブンは無原則の見切り販売は、①価格への信頼性を損なう、②同一商品で“一物二価”の不信感、③同一チェーン同士の価格差による価格競争の可能性、④ブランドイメージの失墜につながるため許容していない。そこで見切り処分による販売時におけるガイドラインを加盟店に配布し、見切り処分による販売方法、作業手順を案内するとともに「加盟店基本契約書」の改定をしている。
コメント
見切り販売についてはコンビニエンスストア各社により対応は異なる。ローソンにおいては加盟店オーナーの裁量により割引ができ、ファミリーマートも加盟店に任せている。
消費者にしてみれば、安く商品が手に入るのならばそれが一番良いとも考えることが出来る。しかし、値引きすることによりセブンイレブンの一物二価による価格に対する不信感や価格競争が生じ、結果としてサービスや商品の質の低下のおそれがあることから中長期的に見て必ずしも値引きすることが消費者の利益につながるわけではない。
セブンイレブンは自己企業の利益にとどまらず、消費者、加盟店それぞれの利害関係人の利益を考え対応策を講じることが必要である。
参考サイト
東京高判平成25・8・30
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
セブン&アイホールディングス 当社子会社に対する公正取引委員会からの排除措置命令について
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