理研、笹井氏の異変を10日前から把握するも何らの措置もとらず
2014/08/12 コンプライアンス, 危機管理, 民法・商法, その他

事案の概要
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長(52)が今月5日に自殺した問題をめぐり、またもや理研の対応が遅かったとして批判されている。
笹井氏の研究室のスタッフからは自殺する10日ほど前から会話が成立しないほどに憔悴していたことが伝えられており、問題発覚の3月から副センター長を辞めたいと繰り返し申し出るも受け容れられなかった。笹井氏の役職は解かず、サポート要員をつけるなどの具体的な支援もしなかったことも分かっている。竹市雅俊センター長は、「投薬や診療を受けていると聞いた。彼は医者ですから、自分のことはちゃんとわかっていて、そういうことをしているのかなと認識した」、「痛恨の極み。もう少し、我慢してほしかった」とのコメントを残している。
コメント
STAP細胞に関する問題発覚以後、対応が遅いとして理化学研究所が度々批判を受けている。今年2月にSTAP細胞に関する論文に疑義があるとして問題になった後、的を得ず劇場型と化した記者会見、責任逃がれにより改革がない人事、理研改革委員の提言を聞き入れない等、組織の体質が問題視されている。今年6月に理研改革委員会(岸輝雄委員長)に「早急な解体」を求められていたが同センターを「解体的再生」にとどめるとした他、改革の進行をチェックする目的で同委員会が設置を求めた「外部の有識者による監視委員会」については設置しないという。
第三者による提言を受けても、世間の批判にさらされても理研上層部の意識は変わらないのだろうか。同研究所のメンバーが日本を代表する研究者らであることに疑いはない。研究分野における特別な人事や評価制度、処分体系があったとしてもそれが研究に資するのであれば許さることもあろう。しかし、今回の一連の怠慢な対応が笹井氏の自殺を招いたと言っても過言ではない。研究者が危機管理職を兼ねている現在の体制に問題はないだろうか。研修者の自由の確保は重要だが、もはや研究者同士の馴れ合いや身内ばかりの居心地の良さに浸ってる場合ではないのではないか。今回の事件を受けて、改革委員会の提言を見直し「外部の有識者による監視委員会」の設置を再検討すべきである。
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