外国人の高度人材をどう受け入れるか!-人材ポイント制度について
2013/07/10 労務法務, 外国人雇用, 労働法全般, その他

事案の概要
安倍内閣は成長戦略の一つとして能力の高い外国人を呼び込むために人材ポイント制度の改正を検討している。人材ポイント制度とは、昨年の5月に導入された制度で学歴、職歴、年収などを項目ごとにポイントで評価し、一定の水準を満たしたものに対し優遇措置を認めるものである。優遇措置とは、永住権に必要な在留期間の短縮、親族の呼び寄せを認めるなど、多岐にわたる。この制度の導入により日本に在住する外国人技術者、経営者が増加すれば、外資系企業の誘致や技術研究の向上が促進され、日本経済の活性化につながる。
政府は今年4月までに認定者の目標を2000人としていたが、実際には434人に留まってしまった。そこで、人材ポイント制度を改正し、認定者の増加を目指す。
改正のポイントは主に3つである。1つ目は、永住権取得に必要な在留期間の短縮である。従来の制度では、永住権取得に必要な在留期間は5年であったが、これを3年に短縮する。2つ目は、永住権取得後の優遇措置の継続である。従来は親の帯同などの優遇措置は永住権取得前に限られていた。これを永住権取得後も継続して利用できるようにする。3つ目は、研究論文の実績やMBAなどの資格取得にもポイントを認めるポイント取得条件の緩和である。また、併せて若い研究者には年収のポイントの要件を緩和する事等も認めている。
コメント
少子、高齢化が進む日本においては、多くの企業において経営者、管理者など人材が不足している。
外国人の高度人材の活用は必要不可欠である。しかし、2006年のIMD(国際経営開発研究所)の調査によれば、高度人材にとって日本の労働市場の魅力は第42位であり、これは中国18位、台湾24位、韓国32位であることを考えるとアジアの中でもかなりの低水準である。
このような状況からすれば、人材ポイント制度のような国家の制度のみならず、企業側の受入態勢が重要になってくる。
では、どのような受入態勢が必要なのか。
一つは、外国人と日本人のキャリア志向の違いを前提に雇用体制を構築することである。日本企業の場合、終身雇用を前提に外国人を雇用するが、外国人の場合2、3年間ぐらいで技術、経験を積んでからやめようとする場合が多い。このようなキャリア意識の差を認識しておかないと、いつまでも、日本は高度人材の外国人にとって魅力ある労働市場にならない。
もう一つは、日本の生活習慣に慣れさせることである。これについては、私生活の面でのアドバイザー役をつけるなどしておくことが重要である。
関連コンテンツ
新着情報

- セミナー
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 登島さんとぶっちゃけトーク!法務懇談会 ~第15回~
- 終了
- 2025/04/23
- 19:00~21:00

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 終了
- 視聴時間53分

- 解説動画
斎藤 誠(三井住友信託銀行株式会社 ガバナンスコンサルティング部 部長(法務管掌))
斉藤 航(株式会社ブイキューブ バーチャル株主総会プロダクトマーケティングマネージャー)
- 【オンライン】電子提供制度下の株主総会振返りとバーチャル株主総会の挑戦 ~インタラクティブなバーチャル株主総会とは~
- 終了
- 視聴時間1時間8分

- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...

- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード

- ニュース
- 福岡地裁が東輪ケミカルに2700万円支払い命令、「配車差別」と不当労働行為2025.4.24
- 労働環境の改善を求めたことにより「配車差別」を受けるようになったのは違法であるとして、東輪ケ...
- 弁護士
- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- 法務の業務効率化