ペニオク詐欺の被告に判決、ステマは今後どうなるか
2013/05/29   広告法務, 消費者取引関連法務, 景品表示法, その他

事案の概要

「ペニーオークション」と呼ばれる、インターネット競売への入札者から、手数料をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた元会社役員鈴木隆介被告(30)に対する判決が24日、京都地裁であった。

起訴状によると、オークションサイトの運営トップだった被告は、部下の男3人と共謀し、ペニーオークションサイト「ワールドオークション」で、事実上商品の落札が不可能な仕組であるにもかかわらず「激安価格で落札できる」などと表示。顧客の女性ら計4人から昨年1~7月にかけて、手数料計約3万3700円をだまし取った。

検察側は「落札が不可能なのに、公正な運営がなされているように装い広告を出した行為は、巧妙で極めて悪質」と主張。一方弁護側は「被害を弁償し示談も成立している」として執行猶予付きの判決を求めていた。

判決で裁判官は「芸能人に、ブログで虚偽広告させるなど、手口は悪質」と指摘。被告に懲役3年執行猶予5年を言い渡した。

この事件をめぐっては、ほしのあきやピース・綾部祐二などの女性タレント、お笑い芸人が、オークション運営側から現金を受領してブログに虚偽の落札情報を書き込んでいたことが発覚した。芸能人に関しては、ペニーオークションサイトの実態を知らなかったとして、詐欺罪等での立件はなされなかったが、ブログを通じてのステルスマーケティング(消費者に宣伝と気づかれないように為される宣伝行為)が問題となった。

用語解説

ペニーオークション:入札ごとに手数料が必要になる形式のオークション。開始価格や、落札価格は通常のオークションより低額であるものの、入札手数料が高額になることがある。落札できなかった場合にも入札手数料を支払う必要があるため注意を要する。
今回の事案では、オークション運営業者が自動入札することによって、参加者が落札できない仕組みになっていた。

コメント

商品の売り上げを伸ばすためには、販売側も宣伝をしないというわけにはいかない。しかし露骨な販売戦略を取れば、消費者を辟易させてしまう恐れもある。そこで、ステルスマーケティング(以下ステマ)が有効となってくる。
お店の前に所謂サクラを使って、長い列を作り人気店であると印象を与えたり、口コミサイトへ自社の商品に好意的な投稿をしたり、反対にライバル社の商品にマイナスな投稿をして印象操作をするなど、様々な手法で宣伝活動が行われている。

一方でステマであると発覚した場合は、消費者の信用を失いかねないし、更には強い批判の対象となる可能性もある。

今回の事案では、サイト運営側から金銭を受領して、落札していない商品を落札したとブログで虚偽報告をしている。悪質性は極めて高く、芸能人に対して強い批判が出てくることもやむを得ない。

また法的には、ステマは景品表示法上問題となる可能性があると消費者庁は指摘している。
飲食店などが業者に依頼して口コミサイトに好意的評価を投稿し、あたかも一般ユーザーの多数から好意的な評価を受けてるかのように見せる場合が同法違反に問われる可能性があるとしている。

ステマそのものが取締の対象になっているわけではないが、 今後より規制が強化されていく可能性もある。

参考条文

「景品表示法」

(不当な表示の禁止)
第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

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