うその確定申告で税金還付の疑いで経営コンサルティング代表逮捕
2013/02/20 税務法務, 租税法, 税法, その他

【事案の概要】
サラリーマンに対して、『所得税の税金を安く抑えられる』として、顧客に対して虚偽の確定申告をして税金の還付を受けられるように指南し、所得税およそ2500万円を脱税させていたとして、2月15日、東京地検特捜部は東京の経営コンサルティングの代表を所得税法違反の疑いで逮捕した。
一部のサラリーマンの間では「副業をしている」との理由で自宅の家賃や飲食代などを
経費として申告し、税金を減らすという手法が注目を集めていた。
実際に副業をしているサラリーマンについては、経費を計上するなどして所得税の還付を受けることが認められているが、その副業に実態があるか否か疑問視されるようなケースもあり、グレーゾーンの部分が存在していた。
本件はそのグレーゾーンを超えた、副業をしていないのにしていたことにするといった悪質な指導を行っていた疑いがあるとして、その指導をした経営コンサルティング会社の代表者が逮捕されたケースである。
【関連条文】
第238条 偽りその他不正の行為により、第120条第1項第3号(確定所得申告に係る所得税額)(第166条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)に規定する所得税の額(第95条(外国税額控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算を同条の規定を適用しないでした所得税の額)若しくは第172条第1項第1号若しくは第2項第1号(給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告)に規定する所得税の額につき所得税を免れ、又は第142条第2項(純損失の繰戻しによる還付)(第166条において準用する場合を含む。)の規定による所得税の還付を受けた者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた所得税の額又は同項の還付を受けた所得税の額が1000万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、1000万円を超えその免れた所得税の額又は還付を受けた所得税の額に相当する金額以下とすることができる。
3 第1項に規定するもののほか、第120条第1項、第125条第1項(年の中途で死亡した場合の確定所得申告)若しくは第127条第1項(年の中途で出国する場合の確定所得申告)(これらの規定を第166条において準用する場合を含む。)又は第172条第1項の規定による申告書をその提出期限までに提出しないことにより、第120条第1項第3号(第166条において準用する場合を含む。)に規定する所得税の額(第95条の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算を同条の規定を適用しないでした所得税の額)又は第172条第1項第1号若しくは第2項第1号に規定する所得税の額につき所得税を免れた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4 前項の免れた所得税の額が500万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、500万円を超えその免れた所得税の額に相当する金額以下とすることができる。
【コメント】
サラリーマンの副業を利用した所得税還付については、様々な本も出版されており注目を集めている。本件のケースでは副業をしていないのにしたことにするという悪質なケースであった。
今後、副業をしていたとしても、それが形骸化しているようなケースについても国税当局が還付金制度の不正使用として告発していくという流れになりうるという点で、一石を投じた事件であると考えられる。
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