UR改革、高額賃貸事業の株式会社化で借金返済へ
2012/08/23 事業再生・倒産, 民法・商法, 住宅・不動産

概要
22日に行われたUR(独立行政法人都市再生機構)に関する内閣府の調査会では、約2600億円にも及ぶ負債の返済をはじめとする法人改革に関する議論が行われ、その中で都心などにある高額物件の賃貸住宅事業を株式会社化するなどの案が示された。即ち、事業を収益性を重視すべきものと政策的対応が必要なものに分類し、それぞれに異なる経営を導入する、というものである。
大まかな分類は以下のようになる見通し。
○株式会社による収益性重視の経営手法
・高額な物件(全国にURが管理・運営する賃貸物件のうちの約10万戸)に関する賃貸住宅事業
○行政法人による政策的対応を含む経営手法
・高齢者・低所得者向けの賃貸物件に関する賃貸住宅事業
・市街再開発
・土地区画整理事業
後者については、東日本大震災の復興事業が含まれるなど公的な意味合いが強く、また、社会福祉政策としての側面をも有することから行政法人が事業を引き継ぐこととなる。
コメント
今回の改革案の骨子は、優良物件の賃貸事業の民営化による収益の向上で赤字の解消を目指す点にある。しかし、改革案によれば設立される株式会社は政府の全額出資会社であり、現状でも燻る「民業圧迫」との批判を解消することになるかは疑問である。また、行政法人が引き継ぐ事業に関しては公益性の高さがその理由とされているが、それは裏を返せば採算性が低いということに他ならない。今後これらの事業の収支が悪化した場合には税金の投入も十分に有り得、予断を許さない。
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