今月就航のLCC、3度目の欠航
2012/07/30 コンプライアンス, 民法・商法, その他

概要
今月3日に成田空港を拠点にして就航したLCC(格安航空会社)のジェットスターは、28日、成田と那覇間を往復する2便を欠航させ、利用者から不満の声が上がった。欠航は、これで3度目となる。
就航から1ヶ月も経たないうちに3度の欠航は、頻度としては高い。格安運賃を実現するべく、保有する少ない機体(ジェットスターの場合3機)をフル稼働させていることから鑑みて、欠航の頻度の高さは、LCC共通の課題である。
コメント
航空運賃や路線の規制を撤廃するオープンスカイ協定や、上記のようなLCCの参入により、航空業界は近年稀にみる変革が起きている。利用者の立場からしても、あのような格安運賃を実現すべくどのようなコストカットが行われているのかに思い至った場合、安全面の不安もなくはない。例えば、空港に着陸後、離陸するまでの時間の短縮を行っている。通常その間の時間は、機体整備や給油が行われているが、その時間の短縮により、機体安全の点検は十分に行われているのか、という想像をしてしまう。しかし、予備機体を持たないLLCが高い頻度で欠航を決断していることは、一定レベルの安全確保を担保している証左であるといえる。
また、成田空港は、その開港に際しての強い反対運動があったことにより、発着は夜の11時までとされている。予備機体を持たないLLCは、ひとつの遅延はその日の営業の全てに影響を及ぼす。そうすると、遅延が積み重なって、成田空港に着陸するのが11時を過ぎるおそれがある場合、その離陸先の空港から飛び立てないこともある。
消費者としては、飛行機を利用しやすい世の中になった。サービスを取るか料金を取るかの選択肢があるのは大歓迎だが、リスクを取るか料金を取るかの選択肢になってしまわないで欲しい。だから消費者として、ある程度は欠航というのは必要悪として受け入れざるを得ないように思われる。
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