【法務NAVIまとめ】下請法の禁止事項
2015/11/09 コンプライアンス, 下請法, その他

大企業が有利な立場を利用して下請業者を不利益に取扱ったり、不利な条件を押し付けるいわゆる「下請いじめ」は景気が回復しているといわれるなかでも多発しています。公正取引委員会による下請け法違反に対する措置件数が過去5年で右肩上がりに増加し、平成26年度では5000件を超えました。
下請法の概要
1 下請法の目的と適用対象
下請法の正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」といい、下請法の目的は下請取引公正化・下請事業者の利益保護(第1条)にあります。
下請法の適用対象となる企業(親事業者と下請事業者)は事業者の資本規模と取引内容で決まります。
2 親事業者が守らなければならない義務
①発注時には発注書面を交付する(第3条)
②発注時に支払い期日を定める(第2条の2)
③取引記録の書類を作成・保存する(第5条)
④支払いが遅れたら遅延利息を支払う(第4条の2)
3 親事業者に対して定められている禁止行為(第4条)
①受領拒否の禁止(1項1号)
②下請け代金の支払い遅延の禁止(1項2号)
③下請け代金減額禁止(1項3号)
④買いたたきの禁止(1項4号)
⑤返品禁止(1項5号)
⑥物の購入強制・役務の利用強制の禁止(1項6号)
⑦報復措置の禁止(1項7号)
⑧有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止(2項1号)
⑨割引困難な手形交付の禁止(2項2号)
⑩不当な経済上の利益の提供要請の禁止(2項3号)
⑪不当な給付内容の変更・やり直しの禁止(2項4号)
4 下請法に違反した場合
公正取引委員会は親事業者が下請法に違反する疑いのある行為をした場合、親事業者に対する立ち入り調査・検査(第9条)を行います。
立ち入り調査・検査の結果下請法に違反すると公正取引委員会が判断すると違反行為の改善を求める指導・勧告(第7条)を行い改善報告書の提出、会社名の公表、最高で50万円の罰金(第10条)が課されます。
5 小活
適正で健全な取引をすることは親事業会社・下請事業会社双方にとって大事です。下請法は下請事業者を保護することを念頭に置いた法律ですが、コンプライアンス体制が企業価値を左右する要素になってきた現在、下請法を遵守することは下請事業者だけでなく、とりわけ親事業者にとっても重要なファクターになります。
新着情報

- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- セミナー
茂木 翔 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】暗号資産ファンドの最前線:制度改正と実務対応
- 終了
- 2025/05/29
- 12:00~13:00

- ニュース
- 熱中症対策がまもなく義務化、罰則も(改正労働安全衛生規則)2025.5.26
- 6月1日から改正労働安全衛生規則が施行されます。今回の改正は、職場での熱中症対策強化を主な目的...
- 弁護士
- 松田 康隆弁護士
- ロジットパートナーズ法律会計事務所
- 〒141-0031
東京都品川区西五反田1-26-2五反田サンハイツビル2階

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- まとめ
- 会社の資金調達方法とその手続き まとめ2024.3.25
- 企業が事業活動を行う上で資金が必要となってきます。このような場合、企業はどのようにして資金調達...