アートネイチャー新株発行 会長らに2億2千万円賠償命令
2012/03/16 商事法務, 会社法, その他

概要
大手かつらメーカー「アートネイチャー」(東京)がジャスダックに上場する前、五十嵐祥剛会長兼社長らは同社より不公正な価格で新株を買受け同社に損害を与えたとして、会長ら新旧役員4人を相手に計約22億5千万円を同社に賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地方裁判所は15日、会長ら4人に2億2千万円を連帯して同社へ支払うよう命じた。
判決によると、同社は2003年11月、保有していた自社株約3万3000株を、1株1500円で五十嵐会長に売却。04年3月には、第三者割当増資を行い、会長ら役職員7人に同額の1株1500円で計4万株の新株を発行した。
判決は、自社株の売却について、かつて会長が同社に譲渡した株を買い戻したに過ぎず、過去の類似取引と同額の1株1500円としたのは相当と判断。一方、新株発行については、同社が提出した02年度の株価算定結果に基づき「当時の株価は少なくとも1株当たり7000円を下らない」とし、1500円の新株発行は「公正な価額の4分の1にも満たない」と指摘。新株発行の価格は不公正な価格と判断した。その上で、旧商法で定められた株主総会の特別決議を得る手続きがなかったとして「法令違反があり、過失があると言わざるを得ない」として、公正価格と発行価格の差額を賠償するよう命じた。
コメント
不公正な価格か否かの判断は、一般的には妥当な価格との乖離幅10%が目安とされることが多い。
日本証券業協会の自主ルールでは、「発行価格は、当該増資にかかる取締役会決議の直前日の価格(直前日に売買がない場合は、当該直前日からさかのぼった直近日)に0.9を乗じた額以上の価格であること。ただし、直近日または直前日までの価格または売買の状況などを勘案し、当該決議の日から発行価格を決定するまでに適当な期間(最長6ヶ月)をさかのぼった日から当該決議の日までの間の平均の価格に0.9を乗じた額以上の価格とする事ができる」としている。
市場価格から離れて公正な価格が決定されることもあるが例外的である。
自社株売却については相当な価格と判断されていることから1株1500円と会長らが判断したことに合理性はあったといえる。そこで、新株発行についても自社株売却と同額で問題ないと判断して1株1500円で割当を行ったのかもしれない。しかし、公正価格の4分の1にも満たないと指摘され、乖離幅が大きいことを考えると、その判断は法令遵守に対する慎重さが足りなかったようだ。
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