租税法学会の理事長が、インターネット記事を無断利用
2012/10/15 知財・ライセンス, 著作権法, その他
事実の概要
租税法学会の理事長を務める明治大学経営学部の水野忠恒教授(61)が、インターネット上に掲載された記事を、自身の論文に無断転載していたことが明らかとなった。問題となった論文が掲載されていたのは、「租税法研究 40号」(有斐閣)。
転載されたのは大阪産業大学の本山美彦学長のブログ記事で、水野教授の論文には本山学長の文章がほぼそのまま引用されていた。
水野教授は、“昨年、講演用の手元資料を作る際に本山学長の記事を引用し、その資料を元に、(問題とされた)論文を執筆してしまった。盗用の意図はない。うっかりミスだった”旨、説明しているという。
水野教授は司法試験考査委員、関税等不服審査会会長を辞任し、租税法学会の理事長も辞任する意向を示している。
また有斐閣は、租税法研究40号につき、「不適切な引用箇所がある」として同誌の回収・交換を行なった。
コメント
論文も著作物である以上、無制約な引用は著作権侵害となりうるが、法律上は「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれる」引用は、出所明示のうえで適法に行なうことができる(著作権法32条1項、48条1項2項)。
適法引用か否かの判断基準は、一般的には、明瞭区別性・従属性に求められる。
今回のケースは、17ページ中4ページに渡って出所を示さないまま転載をしたものであり、責任の追及を受けることは免れないケースだったといえよう。
関連サイト
明治大学経営学部
消された伝統の復権(大阪産業大学本山学長のブログ)
有斐閣による回収・交換の告知
新着情報
- ニュース
- 米グーグル、LINEヤフーへの広告配信制限要請で公取委に改善計画を提出/確約手続とは2024.4.17
- グーグルがヤフーに対し、デジタル広告配信事業の一部を制限するよう要請していた疑いがあるとして...
- セミナー
- 岡部 真記弁護士
- 髙瀬 政徳弁護士
- 【リアル】法務担当者の役割とコンプライアンス教育(座談会)-法務担当者向け 法務基礎シリーズ-
- NEW
- 2024/07/04
- 15:30~17:00
- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- NEW
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...
- 弁護士
- 中島 星弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- 業務効率化
- LegalForceキャビネ公式資料ダウンロード
- 解説動画
- 大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード