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こんにちは。法務専門キャリアアドバイザーの潮崎です。今回は、法務職に転職する際の “志望動機” について考察してみたいと思います。
転職活動では、履歴書の志望動機欄や面接など、応募先企業への志望動機を問われる機会があります。
その際、どのくらいの熱量・分量で、志望動機を示せばよいかで悩む方も少なくないのではないでしょうか。
では、そもそも、企業は何のために応募者の志望動機を知りたいのでしょうか。これは、とてもシンプルで、
「内定を出した時にちゃんと受諾してくれるか」
「入社後すぐに辞めないか」
この二点を知りたいためです。
その背景には、「内定を出しても辞退濃厚な人、短期離職のリスクのある人には内定を出したくない」という採用企業側の強い思いがあります。
そのため、志望動機で語られる内容が、最終的な選考結果を相応に左右することは間違いありません。
日頃、皆さまのキャリア相談に乗っていて感じるところですが、志望動機に苦手意識のある方は、志望動機以前に、ご自身の中での“企業選びの軸”が明確になっていないケースが非常に多いです。
“企業選びの軸”とは、具体的には、
(1)どんな 事業 に携わりたいか
(2)どんな 業務 を任せてもらいたいか
(3)どんな 社風 の組織に身を置きたいか
(4)どんな 条件下 で働きたいか
といった、応募先・入社先企業を決めるうえで重視する基準になります。
そして、この“企業選びの軸”こそが、採用企業側が志望動機を通じて一番知りたい事項になります。
応募する企業や入社する企業を選ぶうえでの基準は、本来、ご自身の本音に照らし合わせながら、自由に構築すべきものですが、応募先企業への披露を前提とする場合、ご自身の本音と共に、「応募先企業からどう見られるか」という視点が不可欠です。
その意味では、応募先企業から、
「内定を出した時にちゃんと受諾してくれそう」
「入社後すぐに辞めなそう」
という心証を抱かれやすい“企業選びの軸”が理想的と言えます。
この点、経験上、法務職での転職を考えられる方は、その専門性の高さもあり、>>(2)どんな業務を任せてもらいたいかにフォーカスした“企業選びの軸”を披露する傾向にあります。
それ自体は、問題はありませんが、業務内容へのこだわりを過度に押し出した場合、「任せられる業務内容が限定され、扱いにくいのでは?」「本意でない業務を割り振ったときに、すぐに退職されるのでは?」と解釈されるリスクを伴います。
また、>>(4)どんな条件下で働きたいかを過度に押し出した場合には、条件で所属企業を転々とするドライな印象を与えかねません。
一方、>>(3)どんな社風の組織に身を置きたいかを前面に押し出した場合、見聞きしていた社風と実際の社風との間にギャップがあったときには、そもそもの志望動機の前提が崩れてしまうことになりかねません。
その意味では、個人的に、>>(1)どんな事業 に携わりたいかに主眼を置いた“企業選びの軸”を示すことをお薦めしています。
事業内容への興味関心を示すことで、近年、法務採用の現場でニーズの強い「ビジネスへの興味関心が高い法務人材」という心証を形成しやすくなりますし、メインとなる事業内容が入社後に大きく変わる可能性は低いため、志望動機の前提が崩れるおそれも低いからです。
そのうえで、>>(2)どんな 業務 を任せてもらいたいかについてもフォーカスしつつ、(3)の社風と(4)の条件面については、さらっと触れるくらいのバランスが、理想的なのではないでしょうか。
この“企業選びの軸”さえ固めてしまえば、後は、その軸に沿って応募先企業を調べ、ご自身の軸に応募先企業がどのように当てはまっているかを説明すれば、志望動機として十分に成立します。
ぜひ、自己分析を重ねつつ、応募先企業からの心証も意識しながら、皆さまご自身の“企業選びの軸”を打ち立ててみてください。
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株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー 潮崎明憲 大阪市立大学法学部卒、近畿大学法科大学院修了。法務・総務担当として入社した営業研修会社の事業を4年にわたって支えた後、2014年より、米国訴訟における日本企業支援(eディスカバリー)業務に従事。2016年からは、法務専門エージェンシー、株式会社More-Selectionsにてエージェントとして、1000社超の企業の法務職採用に携わる。2021年9月、同社のパソナへの吸収合併を機に、株式会社パソナにて法務職専門のキャリアアドバイザーを務める。 |
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