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こんにちは。法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザーの潮崎です。今日は、普段、求職者の方からいただく面接フィードバックを踏まえ、多くの法務パーソンが苦手とする面接質問への対策、第三弾をご紹介します。本日ピックアップする質問は以下です。
思わず、言葉に詰まってしまいそうなシビアな質問ですね。
・ビジネス法務中心のキャリアを歩んで来られた方が、コーポレート法務が多く含まれる求人に応募するケース
・上記の逆のケース
・M&A関連のご経験のない方が、M&A関連業務が業務内容に含まれる求人に応募するケース
などで、この種の質問が多くされる傾向があります。
この質問の意図は至ってシンプルです。これは、求人に記載した業務内容に対応できるか否かを測る質問に他なりません。
そして、とにもかくにも、“職務経験”を重視する日本の大多数の企業の法務職選考においては、『経験していない業務=対応できない業務』という前提で選考が進められています。
では、そもそも、法務職において、職務経験と業務内容にミスマッチが生じている求人に応募するのはありなのでしょうか?
上述のように、そうしたミスマッチが選考評価にネガティブに作用することは間違いありません。しかし、法務職の採用が売手市場となっている今、企業側が求めている職務経験を余すことなく備えた人材を採用することは非常に困難になっています。
そのため、多少のミスマッチがある場合でも、他の応募者との相対評価の結果、内定を獲得できるケースは珍しくありません。
その意味では、ご自身の職務経験が業務内容と多少マッチしていなくても、応募する価値は十分にあると言えます。
とは言え、選考上、求人記載の“業務内容”と応募者の“職務経験”の重なりの度合いが、かなり重視されることに変わりはありません。
そのため、この種の質問をされた際には、“重なりの度合い”という観点から、以下の優先順位で、切り返すことをお薦めしています。
(1) 面接官が認識していない「親和性の高い職務経験」の伝達(もしあれば・・)
(2) 当該業務の遂行に必要なスキルセットの全部又は一部を用いて仕事をした経験のアピール
(3) 座学等を通じて、当該業務の遂行に必要なスキルセットを備えたことのアピール
ちなみに、ここで言う、「スキルセット」とは、業務に紐づく、技能・業務手順の知識・専門知識(いわゆる、スキル・ノウハウ・ナレッジ)を指します。
例えば、総会招集手続きであれば、条文を読んで理解する技能、リーガルリサーチのノウハウ、招集手続きのノウハウ、必要書面の様式に関する知識、会社法や会社法判例の知識といった具合です。
ところで、上記(1)~(3)のいずれも備えていない場合、よく、
「~業務の経験はないので、入社前に本などを読んでキャッチアップします」
といった趣旨の回答をされる方がおります。
しかし、「そのうち、勉強します」という言葉は誰でも言える言葉となるため、説得力を出すのが難しいと思います。まず、面接に行く前に、ほんの少しでもいいので実際に勉強を開始すること。その上で、
「現在、●●氏が執筆した△△△という書籍で勉強中です」
といった具合に、具体的かつ現在進行形で学習内容を語ることが重要です。
いずれにせよ、この種の質問は準備が全てです。以下に、今回の質問に対応するための面接準備の手順をまとめてみました。
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【お薦めの準備】
・面接前に自身の職務経験と求人記載の業務内容との重なりの度合いを確認
・重なりが薄いところは、当該業務の遂行に必要なスキルセットを洗い出す
・当該スキルセットを使用した職務経験の記憶喚起
・座学等で当該スキルセットを備えるに至った経緯の記憶喚起
・重なりが全くない業務については、スキルセット修得のための具体的な取り組みを、わずかでも行う
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よろしければ、こちらをご参考に、万全の体制で面接に臨んでみてください。
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株式会社パソナ 法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザー 潮崎明憲 大阪市立大学法学部卒、近畿大学法科大学院修了。法務・総務担当として入社した営業研修会社の事業を4年にわたって支えた後、2014年より、米国訴訟における日本企業支援(eディスカバリー)業務に従事。2016年からは、法務専門エージェンシー、株式会社More-Selectionsにてエージェントとして、1000社超の企業の法務職採用に携わる。2021年9月、同社のパソナへの吸収合併を機に、株式会社パソナにて法務・ハイクラス専門のキャリアアドバイザーを務める。 |
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