法務に求められる“コミュニケーション力”の正体

 
 

こんにちは。法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザーの潮崎です。

昨今、多くの求人企業が法務パーソンに求める“コミュニケーション力”。一方で、その“コミュニケーション力”の具体的な中身について開示している企業は多くありません。

本日は、「法務パーソンに求められるコミュニケーション力の具体的な中身」について考察してみます。

 
 

 

1.コミュニケーション力が求められる背景

近年、法務パーソンに“コミュニケーション力”を求める企業が明確に増加しています。

日ごろ、法務パーソンの転職支援をしていても、求人票内に「求める人物像」として“コミュニケーション力がある人”と明記されているケースは非常に多いと感じています。また、人事担当者からいただく面接フィードバックにも、“コミュニケーション力”に対する言及が多く見られます。

法務部門の役割が拡大し、個々の法務パーソンが社内外の人間と連携・協働して仕事を進める機会が増えたことが、その一因と考えられます。

 

2.法務特有のコミュニケーション

法務パーソンもビジネスパーソンの一員である以上、ビジネスパーソン一般に求められるコミュニケーションの資質が要求されることは理解に難くないところだと思います。

その一方で、役割上、法務パーソンには、他職種と毛色の異なるコミュニケーションが求められる場面があります。
具体的には、以下のようなケースです。

・事業部が時間と労力を割いてきた施策にストップをかける
・当事者にとって不都合な情報を引き出して事実を把握する

その意味で、法務には、これらのケースに対応できる特異なコミュニケーション力がプラスアルファで求められることになります。

 

3.法務に求められる特異なコミュニケーション力

では、法務パーソンに特に求められるコミュニケーション力とは、どのような力でしょうか。
具体的には、以下の2つが挙げられます。

(1)耳心地の悪い内容を相手の気分を害さずに伝える力
(2)情報を引き出す力(特に、相手が言い出しづらい情報を引き出す力)

これらが、ある意味で、法務に求められるコミュニケーション力の正体と言えます。

実際、大上段に法的観点からの主張をぶつけ、事業部との関係が悪化している事例、現場にヒアリングした際に、都合の悪い情報を秘匿され、対応が後手に回ってしまう事例などを、耳にすることは少なくありません。

 

4.法務としてのコミュニケーション力を高めるために

では、どうすれば、上述したようなコミュニケーションが可能になるのでしょうか?

月並みな言い方になるかもしれませんが、肝となるのが、「信頼関係の構築」です。ことさら、おしゃべりが上手な人と思われる必要はありませんが、

・信頼できる人
・落ち着きのある人
・自分を尊重してくれる人
・ビジネスへの当事者意識の高い人

といった印象を与えられるよう、ブランディングすることが重要になります。具体的には・・、

(1)他部門の人と話すときは、気持ち声を落としゆっくりと話す
(2)話すよりも“聞く”に力点を置き傾聴の姿勢を見せる
(3)相手の立場に思いを馳せ、共感できるところは共感する
(4)言いづらいことを伝える際は、必ずクッション言葉を使用する

この辺りを意識して、仕事上のコミュニケーションを取ってみてはどうでしょうか。

 

習慣化できれば、転職面接時にも必ず良い影響がありますので、ぜひ、一度試してみてください!

 

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株式会社パソナ
法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザー
潮崎明憲
大阪市立大学法学部卒、近畿大学法科大学院修了。法務・総務担当として入社した営業研修会社の事業を4年にわたって支えた後、2014年より、米国訴訟における日本企業支援(eディスカバリー)業務に従事。2016年からは、法務専門エージェンシー、株式会社More-Selectionsにてエージェントとして、1000社超の企業の法務職採用に携わる。2021年9月、同社のパソナへの吸収合併を機に、株式会社パソナにて法務・ハイクラス専門のキャリアアドバイザーを務める。
 
 
 
 

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