年収2000万円が見込める法務求人の特徴

 
 

こんにちは。 法務専門キャリアアドバイザーの潮崎です。
本日は、法務パーソンの年収帯の上位層、 「年収2000万円が見込める法務求人」 の特徴をテーマにお話します。

 
 

1.年収の一般論

一般論として、企業が求人票に記載する年収額は、

・求人企業が属する業界
・入社後の求人企業内での職位
・業務内容の専門性の高さ
・応募要件に課す条件の希少性

などに大きく左右されるといわれています。

職位・専門性の高さ等はそれほど意外ではないかもしれませんが、業界に関しても、「給与が高い業界ランキング」などで挙げられる業界の求人は、やはり総じて他業界よりも年収が高い傾向があります。

 

2.年収2000万円 法務求人の割合

今回のコラムを執筆するにあたり、パソナキャリアが取り扱う法務求人データを分析しましたが、全法務求人のうちで、応募者のスキル・経験等により年収2000万円が見込める求人の割合は、わずか0.8%でした。

ちなみに、年収1000万円が見込める求人の割合は41.5%にのぼりましたので、法務職において、年収1000万円は十分現実的な年収帯といえる一方、2000万円はかなりの上位層に位置付けられると言えそうです。

 

3.年収2000万円 法務求人の特徴

では、年収2000万円が見込める法務求人にはどのような特徴があるのでしょうか?業界・職位・業務内容・応募要件の4つの軸で分析した結果が以下です。

 

(1)業界
「コンサル業界」が約33%で1位、次いで「製造業界」が約26%で2位、3位が「金融業界」で約16%でした。4位以降は、大きな偏りはなく、IT・エネルギー・小売・不動産・商社・製薬など、幅広い業界の求人が見られました。

(2)職位
「役員(CLO)クラス」が約17%、「シニアマネージャークラス(部長)」が約42%、「マネージャークラス(課長・係長)」が約25%、「役職なし」が約16%という結果となりました。

(3)業務内容
担当する主な業務内容に目を向けると、「グローバルコンプライアンス体制の構築」が最も多く約35%、次いで、「M&A・新規事業周り等の“戦略法務”」専任が約24%、「法務組織の新規構築」が約18%、「法務部門全体のマネジメント」が約10%となりました。

(4)応募要件
「ビジネスレベルの英語力」を求めるものが約42%、「グローバルコンプライアンスの実務経験」の豊富さを求めるものが約26%、「M&A関連の法務実務経験」を求めるものが約24%、「国内弁護士資格」を求めるものが約16%、「米国弁護士資格」を求めるものが約9%という結果となりました。

 

4.まとめ

今回の調査で業界別1位となったコンサル業界。同業界の年収2000万円 法務求人の業務内容にそれほど特徴的なところはない一方、応募要件として、「国内弁護士資格」を求めるものが多くありました。

 

その意味では、国内弁護士資格を持ってコンサル業界に転職するのが、年収2000万円以上を狙ううえで、一番確率が高いキャリアと言えるかもしれません。その他にも、ビジネスレベルの英語力を備えたうえで、

・グローバルコンプライアンスの経験
・M&A関連の法務業務の経験
・シニアマネージャークラスのマネジメント経験

などを積めると、可能性は大きく広がりそうです。

 

ちなみに、年収2000万円 法務求人には、外資系の企業の求人が多いイメージがありましたが、内資2に対し、外資1という割合でした。
日本における内資企業:外資企業の割合を考えると、これでも十分高いですが、個人的な想像よりは低い印象となりました。
また、内資企業の企業規模としては、やはりプライム上場企業が中心ではあるものの、大手企業が設立したジョイントベンチャーの求人も散見されました。

 

年収がすべてではないものの、キャリアを考えるうえで、年収面が重要な要素となるのも確かです。
ぜひ、今後のキャリアの展望を考えるうえで、本記事を参考にしてみてください。

 

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株式会社パソナ
法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザー
潮崎明憲
大阪市立大学法学部卒、近畿大学法科大学院修了。法務・総務担当として入社した営業研修会社の事業を4年にわたって支えた後、2014年より、米国訴訟における日本企業支援(eディスカバリー)業務に従事。2016年からは、法務専門エージェンシー、株式会社More-Selectionsにてエージェントとして、1000社超の企業の法務職採用に携わる。2021年9月、同社のパソナへの吸収合併を機に、株式会社パソナにて法務・ハイクラス専門のキャリアアドバイザーを務める。
 
 
 
 

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