外国人の就労資格まとめ

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1.はじめに

 2018年10月24日に開幕した臨時国会で、入管法の改正案が提出される予定です。今回の改正では、新たな在留資格を創設することで、外国人労働者の受け入れを拡大することが狙いです。
 外国人労働者を適法に受け入れるために、企業としては、どのようなカテゴリーの外国人を雇用することが出来るのか、確認しておく必要があります。
 そこで、今回は、現在の外国人の就労資格について、説明していきたいと思います。

2.在留資格ごとの就労条件

①就労目的で在留か認められる者
 各在留資格に定められた範囲内で、就労が可能です。
②身分に基づいて在留する者
 日本人の配偶者や、日本に長期間生活の本拠を持つ、いわゆる定住外国人等は、在留中の活動に制限がないため、基本的にどのような職種、条件でも就労可能です。
③特定活動
 活動を目的とする他の在留資格に該当しない活動の受け皿として、個々に法務大臣が活動を指定する在留資格で、法務大臣が指定した活動の範囲内で就労可能です。
④資格外活動
 通常就労資格のない留学生や就学生も、本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内(留学生:週28時間以内、就学生:1日4時間以内)で、相当と認められる範囲内で就労可能です。

参考:厚生労働省:我が国で就労する外国人のカテゴリー

3.就労目的での在留資格

 就労目的の在留資格では、在留資格で認められた範囲内でのみ活動が認められます。外国政府の大使館で勤務する外交、公用目的での在留資格のほか、専門的、技術的分野での在留が認められており、在留期間は最長でも5年となります。
 専門的、技術的分野は、①高度な専門的な職業者(教授、医師、弁護士等)、②外国人特有又は特殊な能力等を活かした職業(語学教師、外国料理人等)③大卒ホワイトカラー、技術者(エンジニア、事務職等)という分野があります。
詳しくは、下記の一覧表をご覧ください。

入国管理局:在留資格一覧表

4.特定活動

 特定活動には、①入管法規定の特定活動、②法務大臣が告示で定める告示特定活動、③上記2つ以外の告示外特定活動があります。
 ①入管法規定の特定活動は、高度人材受入を促進する目的で、研究者や情報処理技術者及びその家族(配偶者・子)についての在留資格です。法務大臣が指定する高度専門的な研究、教育、情報処理等の業務を行う者と、その家族が対象です。
 ②告示特定活動とは、法務大臣があらかじめ告示で定める在留資格で、外国政府との協定や外国との交流を促進するなどを目的として在留資格を定めています。外交官の家事使用人、ワーキングホリデー、アマチュアスポーツ選手、サマージョブ、国際文化交流目的などが挙げられます。
 ③他の在留資格に該当せず、「入管法規定の特定活動」や「告示特定活動」にも該当しない場合の在留資格で、個々の外国人の事情により付与される在留資格です。

参考:イワタ行政書士事務所:在留資格「特定活動」

5.改正の方向性

 今回の改正では、特定技能という新たな在留資格を2段階で設ける見通しです。
 「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に特定技能1号という資格が認められ、特定技能2号は、高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人に認められることになります。
 1号で対象とする予定の業種は、介護、ビルクリーニング、自動車整備、宿泊、介護、外食、農業など、今までは認められていなかった、いわゆる単純労働の分野です。
 従来は、高度に専門的・技術的な分野に限り就労を認めてきたのに対し、真に人手不足な分野に着目した改正といえます。
 
参考:日経新聞:入管法改正案を閣議決定 単純労働で外国人受け入れへ

6.コメント

 今回の法改正によって、外国人の就労することのできる業務範囲はさらに広がり、今後も外国人労働者の受け入れは加速していくことと思います。
 その中で、就労資格のない外国人を就労させることのないように、法務としては就労資格を把握し、雇用しようとしている外国人がその資格を有しているのか精査する必要があると考えます。

企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約1年6ヶ月前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
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[著者情報] sawada

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2008年より中央大学ビジネススクール客員講師(13年より同客員教授)
2016年より2018年まで東京大学大学院法学政治学研究科教授
2019年ベンチャーラボ法律事務所開設

主にベンチャー・スタートアップ支援、M&A、国際取引、一般企業法務を取り扱う。

主著として、『業務委託契約書作成のポイント』(共著)、『契約書の見方・つくり方(第2版)』、『ビジネス法律力トレーニング』、『ビジネス常識としての法律(第2版)』(共著)、『シチュエーション別 提携契約の実務(第3版)』(共著)、『会社役員のための法務ハンドブック(第2版)』(共著)などがある。
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