【法務NAVIまとめ】有給休暇「時間単位取得制度」まとめ

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働きやすい職場環境の構築に役立つ「時間単位取得制度」。従業員のワークライフバランス向上につながります。
労働基準法39条は年次有給休暇について規定しています。6か月以上継続勤務し、かつ8割以上出勤した労働者に対して、10日間の有給休暇が与えられることになっており、勤続年数に応じて増加していきます。従来は日単位、または半日単位での有給取得が認められていましたが2010年、労基法改正により、時間単位での有給取得が認められるようになりました。

 

時間単位取得制度を導入した場合には次のようなメリットがあります。この制度を導入することによって、1日のうち3時間だけ早く退社する、2時間遅く出社するといった有給の取り方ができ、従業員がよりフレキシブルに休暇を取得することができるようになります。従業員の職場環境への満足度が上がり、従業員の定着率につながるようになるでしょう。逆にこの制度を導入することによって従業員の労働時間管理がより煩雑になるというデメリットもあります。10月15日厚生労働省発表の「就労条件総合調査の概況」によると実際にこの制度を導入している企業は1割程度となっていることから、多くの企業がこの点を敬遠していると思われます。

時間単位取得制度を導入する要件は次の2点です。
(1) 就業規則の変更
 対象となる従業員、年次有給休暇に相当する時間数、1単位の時間、給与支払方法を就業規則に追加した上で労働基準監督署に届けることになります。
 具体的には「対象者は全ての従業員。」「所定労働時間8時間の者は8時間」「時間単位年休は1時間単位とする。」「年次有給休暇で支払われる給与は、通常の給与の1時間あたりの額に取得した単位時間を乗じたものとする。」等記載することになります。
(2) 労使協定の締結
 上記就業規則に追加する内容に加えて、1年に時間単位で取得できる有給の日数(最大5日)、取得方法を労使協定で締結します。
 具体的には「時間単位で取得できる日数は1年間に5日とする。」「取得するに際しては、遅くとも前日の終業時刻までに、所属長に報告するものとする。」等記載することになります。

時間単位取得制度は、労働者にゆとりのある生活を確保することを目的に規定された年次有給休暇の取得率向上を趣旨としています。他方で、企業にとっても、この制度を導入することで従業員の労働環境やワークライフバランスを重視しているとアピールすることができ、イメージアップにつながるものだと言えます。
企業法務ナビよりお知らせ
本記事は、約4年8ヶ月前に投稿された記事です。法律に関連する記事の特性上、法改正や特別法の施行、経過措置期間の経過、新たな条文解釈を示唆する判例の登場などにより、記事の内容と現在の法律運用・解釈との間に齟齬が生じている可能性もございます。何卒、ご注意ください。
 
[著者情報] mhayashi

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