ドラクエ酷似ロゴを無断使用したRMT業者社長逮捕 RMT対策強化になるか

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事案の概要

栃木県警は2015年2月19日、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の商標に酷似したロゴをサイトに掲載してRMT(リアルマネートレード)の営業を行い、ゲーム会社「スクウェア・エニックスホールディングス」の商標権を侵害した疑いがあるとして、東京都足立区のRMT(リアルマネートレード)業者「アットベンチャー」社長佐藤高弘容疑者(41)を商標法違反の疑いで逮捕したと発表した。RMT業者が商標権侵害で逮捕されるのは初めてとなる。佐藤容疑者は容疑を認めていると言う。

今回の事件は、RMT行為そのものではなく、商標に酷似したロゴをRMTの営業で使用したことが、登録商標に類似する商標の使用(商標法第37条第1号)に対する罪(同法第78条の2)にあたるとして問題となったものである。

RMTの概要と問題点

RMTは、オンライゲームのアカウントやアイテム、仮想通貨等を現実の通貨で売買する行為を言う。オンラインゲームのアカウントやアイテムを他者から購入することにより、プレイ時間の節約が出来ること、他のプレイヤーに対し優位に立つことが出来ることから、これらの需要が存在するところ、これを現実の通貨で売買することができれば経済的な利益を得ることが出来る。

RMTの問題点は、商品となるアカウントやアイテム獲得のために不正アクセス等が用いられることによるサーバーダウン等や、不正に獲得したアイテムが大量に供給されることによりゲームバランスの崩壊などのトラブルが発生することにある。また、データの売買であるRMTはそれ自体を直接取り締まる法律がなく、運営企業側が利用者との間で合意する利用規約に違反するに過ぎないことも問題である。このため、RMTの監視や取締りは運営企業側が取り組まざるを得ず、その対策コストがサービスの質や収益の低下を招くことにもつながっている。

このような問題点が存在するため、企業側からはRMTに対する法的な規制強化が望まれている。

コメント

今回の事件はゲームのロゴを無断で使用したことが商標法違反として取締りの対象となったものであり、利用規約で制限するしかなかったRMTの対策について、その範囲を拡大しうるものとして注目されている。

一方で、今回の商標法違反としての取り締まりはRMT自体を違法とするものではないため、業者による大規模なRMTに対しては有効であるものの、インターネット上で行われ、現実の物品の移転等が起こらないRMTでは商標を使用することなく行われるものも多く、対策として十分であるとはいえない。

RMT自体が法規制の対象となるような法整備が行われるか否か等、今後の動きに注意する必要もあるだろう。

関連サイト

  • ドラクエ酷似ロゴを無断使用の疑い RMT業者を逮捕(朝日新聞デジタル)(リンク切れ)→アーカイブ
  • 商標法
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本記事は、約5年1日前に投稿された記事です。法律を内容とする記事の特性上、その改正や他の特別法の施行、経過措置期間の経過、関連判例の出現などによって内容が古くなり、現在は誤りとなる可能性がありますので、ご注意下さい。
 
[著者情報] TY

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