法務パーソンに仕事のやりがいを聞いたら・・

 
 

こんにちは。法務専門キャリアアドバイザーの潮崎です。
昨年末、法務パーソンの方々の集まりに呼んでいただき、お話を聞く機会がありました。

30代から50代、様々な業界の法務パーソン15名ほどが集まった会でしたが、そのときに盛り上がったテーマが“法務のやりがい”について

仕事の成果の測りづらさもあり、「仕事のやりがいがわかりづらい」と言われがちな法務職。
でも、実際にお話を伺うと、皆さま、さまざまなポイントで法務のお仕事にやりがいを感じていることがわかりました。

本日は、その時のディスカッションで見えてきた “法務のやりがいポイント”をご紹介します。
ぜひ、みなさんが考える“法務のやりがい”に照らしながら、お読みください!

 

1.専門家としての特別感

お話を聞いていて、やはり多かったのが、『仕事の専門性にやりがいを感じる』という意見でした。

ある大手メーカーで新卒から働き続けている方が当日参加していましたが、その方は、入社から数年は営業をメインに仕事をしていたといいます。
営業ならではのやりがいがあった一方で、「誰にでもできる仕事なのではないか?」という思いが拭えなかったとのこと。
それが、30代で法務に配属されてから、「特別なスキル・知識のある人しかできない仕事を担っている」という自信を持てるようになり、自己肯定感が上がったと語っていました。

この意見に賛同する人は殊の外多く、「社内の専門家として頼られるのが嬉しい」「指名で仕事が来ると、ちょっと特別な存在になった気がする」といった声も聞かれました。
『できれば、自分にしかできないような特別な仕事がしたい』という思いは、みんな、大なり小なり持っていそうです。

 

2.事業・ビジネスへの貢献

他に多くあがっていたのが、『事業や会社のビジネスへの貢献を実感したときに、やりがいを感じる』という声です。

事務的な作業も少なくない法務業務。あるIT企業で一人法務を務める方は、「目の前のタスクに追われていると、何のために仕事をしているかを忘れがちになる」と語っていました。
でも、そんな中でも、相談を受けた新サービスのリリースを目にしたときなどに大きな充実感を覚えると教えてくれました。

こちらも賛同の声は多く、
・携わった商品の広告を見かけたとき
・現場から「あの時の契約、うまく行ったよ」と感謝されたとき

などに、事業や会社のビジネスに貢献した実感を持て、モチベーションが上がるという声が聞かれました。
現場と一緒に一つのものを作っている実感だったり、良い商品・サービスのリリースに携わった誇らしさなどが、やりがいに繋がっているようです。

 

3.“正解のない問題”の解決が求められる

法務の仕事をしていると、ときに、シロクロをつけられない“正解のない問題”が持ち込まれることがあります。

会に参加していた、40代の女性(人材業界)は、新規事業の相談などで、そうした難問の解決を求められるときに、法務の仕事の面白さを感じるといいます。
(逆に、事務作業寄りの“正解のある仕事”は、苦手だし好きじゃないとも語っていました。)

似たような声として、
・新規事業やM&Aを含め、社内の様々な情報が
集まって来て、それを用いて判断を下すのが面白い
・バチっとハマる解決策が見つかったときが快感

といった意見がありました。

正解のない問題に対し、自分の責任と裁量のもと、決断を下す。
なんともヒリヒリする場面ですが、たしかに、普通の人ではできない判断を行うという意味で、法務の腕の見せ所といえます。

 

4.法律を生業にできる

あとは、シンプルに“法律”に携わりながら仕事ができる点に魅力を感じている人も少なくありませんでした。

・論理的で解釈の余地のない運用が求められる“法律”という概念自体が好き
・常に法律知識のアップデートが求められ、知的好奇心が満たされる
・法律に詳しい同僚、上司らと法的なディスカッションをするのが楽しい

など、“法律愛”あふれる意見が聞かれました。

 

「法務の仕事のどこにやりがいを感じるか?」肩肘を張らずに議論ができる、非常に盛り上がるテーマでしたが、実は、“キャリア軸”と密接につながった重要なテーマでもあると感じました。

例えば、「専門家としての特別感」を求めるなら、法務組織の規模が大きすぎない会社のほうが希少度が上がってよいかもしれませんし、逆に、「法律に触れる喜び」を噛みしめたければ、法律の話題を話せる相手の多い、少し大きめな法務組織がマッチするかもしれません。

「事業・ビジネスへの貢献」にやりがいを感じるのであれば、会社の事業内容にこだわった方がよいかもしれませんし、「正解のない問題」に取り組むのが好きであれば、法的規制が厳しすぎない業界のほうが、攻めの判断が許容されやすいかもしれません。

このように、ご自身が法務のどこにやりがいを感じているかを自覚しつつ、どんな会社であれば、そのやりがいを一層味わえるのか、一度、立ち止まって考えてみてはどうでしょうか。

 

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株式会社パソナ
法務・ハイクラス専門キャリアアドバイザー
潮崎明憲
大阪市立大学法学部卒、近畿大学法科大学院修了。法務・総務担当として入社した営業研修会社の事業を4年にわたって支えた後、2014年より、米国訴訟における日本企業支援(eディスカバリー)業務に従事。2016年からは、法務専門エージェンシー、株式会社More-Selectionsにてエージェントとして、1000社超の企業の法務職採用に携わる。2021年9月、同社のパソナへの吸収合併を機に、株式会社パソナにて法務・ハイクラス専門のキャリアアドバイザーを務める。
 
 
 
 

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