司法試験合格発表~司法試験改革の経緯と今後の展望~
2014/09/12   法務採用, 民法・商法, その他

司法試験の合格発表

2014年9月9日、平成26年度司法試験の合格発表があった。出願者9255人・受験者8015人に対して合格者は1810人で初めて2000人を下回り、合格率は過去最低の22.5%だった。
予備試験(下記の解説参照)合格者の合格率が66.8%とどの法科大学院よりも高かったのも特徴である。

司法制度改革

日本の司法全般に対する改革。裁判員制度、裁判の効率化・迅速化、知財高裁の設置など多岐にわたるが、法曹人口を増やし社会の法的ニーズに対応するために司法試験の改革も実施された。
その内容は法科大学院の設置(2004~)、従来の司法試験に変えて法科大学院修了が受験条件である新司法試験の開始(2006~)、司法試験の合格者の大幅増(2010年には合格者3000人、合格率70%~80%が2002年時点での目標)であった。
従来の司法試験は2010年に終了となり、2011年からは経済的事情から法科大学院に通えない者のために予備試験が開始されることとなっていた。

その後の経過

司法試験の合格者数は2008年(平成20年)に初めて2000人を超えたがそれ以降は横ばいの状況が続き、今回の発表では2000人を下回ることになった。合格率に関しては初年度の2006年(平成18年)は48.3%であったが、その後40.2%、33.0%、27.6%と低下の一途を辿り2014年(平成26年)には22.5%にまで低迷した。
日弁連や自民党などは法曹人口の急激な膨張による質の低下や弁護士の就職難等を理由として司法試験合格者を1500人程度まで減らすように提言している。(後述の関連リンク参照)

今後の展望

弁護士の就職難などの状況がある以上当初の目標を堅持することは現実的ではなく、合格者をある程度減らすことはやむを得ない。
しかし合格者3000人、合格率7~8割という当初の目標を信じて法科大学院に入学・司法試験の受験を行った者も多いと思われる。法曹のニーズは2002年当初の予測より伸びなかったが、現在社会ではグローバル化への対応・コンプライアンスの徹底・訴訟リスクの低減が求めらている企業法務のニーズは十分にあると思われる。司法試験受験生は法科大学院で専門的に法律を学んでおり、法的素養・論理的思考を持つ者も多いので、企業法務にて学んできたことを活かすことができるだろう。

政府には司法試験受験生の就職支援や法務ニーズに対する司法試験受験生という選択肢の啓蒙活動などが求められる。
企業は法務に関するニーズがあるときに選択肢の一つとして考慮すべきであろう。
そして司法試験受験生は、企業法務に興味がある場合、企業の採用担当者に法科大学院で学んだ法律知識のみではなく、法的思考・判断力などのアピールもすべきであろう。

これらを行うことで司法試験受験者が法科大学院で学んだことを法律知識・法的思考・判断力などを活かすことができ、増大する社会の企業法務のニーズに応えることもできる。

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