NHK、写真無断使用で敗訴確定
2013/04/05 知財・ライセンス, 著作権法, その他

事案の概要
撮影した写真をニュース番組で無断使用され著作権を侵害されたとして、札幌市の男性写真家がNHK側に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は双方の上告を棄却した。NHK側に104万円の支払いを命じた二審(札幌高裁)判決が確定した。
NHKは2008年4月、風力発電ファンド設立に関するニュースを「おはよう日本」などで伝えた際、男性が撮影した風力発電用風車の写真を無許可で撮影し、無断で放映していた。ニュースで使用されたのはファンドとは無関係の風車の写真であった。
二審では、NHK側の「報道では、著作物の出所表示を行う慣例や義務はない」との主張に対し、
札幌高裁(小林正裁判長)は、ニュースと写真の間に「その利用を相当とするだけの関連性を見出せない」と指摘し、著作権侵害と認定。NHK側に104万円と法定利息の支払いが命じられ、仮執行宣言が付与されていた。
コメント
事件の正確な報道といいう観点からは、一定程度緩やかに著作物の利用を認めるべきとも考えられるが、そうだとしてもニュースとは無関係の著作物を無断で使用することが許されるはずはない。本判決は、メディアの立場に安住したNHKの怠慢を戒めるものであったといえる。
参照条文
(時事の事件の報道のための利用)
第四十一条 写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。
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